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樹皮 周皮

2017年03月02日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 正直、僕も正しく理解できているのか、不安ですが、前回に続き、樹皮について、分かりやすくお話したいと思います。

 

 樹木の内部(木部)が肥大成長することで、それを覆っている内樹皮(師部)の外周が引き伸ばされ、軸方向に裂けてしまいます(接線方向の成長応力によって、内樹皮が軸方向に裂ける)。

※あくまでイメージです。

 裂けた部分では、柔細胞などが有する生命活動の機能が衰え、そこにコルク形成層が形成されます。

 コルク形成層の外側にコルク層、内側にコルク皮層が作られます。

 

 顕微鏡の世界・・・の話になりますが、コルク形成層・コルク層・コルク皮層について、簡単に。

 ・コルク形成層=薄い細胞壁を持っている1つ~多数の層の細胞列がある。細胞分裂機能をもつ。

 ・コルク層=全て死んだコルク細胞で構成。細胞膜より内側は空で、その中は空気で満たされ、細胞壁には蝋物質やリグニンが含まれ、水の浸透や蒸発の防止、病害虫の侵入を防止、直射日光による熱を遮断・・・という重要な役割をもつ。

 ・コルク皮層=複数の柔細胞で構成。細胞壁にはセルロースが豊富にある。

 

 これら3つをまとめて「周皮」といいます。

 前回、外樹皮と内樹皮のお話をしましたが、このコルク層によって、内樹皮から切り離された外側の部分を「外樹皮」といい、外界から樹木内部を守っています。

※これまでの話をまとめたイメージ。

 周皮は樹木の肥大成長に応じて、内側から新しいものを毎年形成するため、既存の周皮は、外側に押し出されます。

 そのため、一番外側のコルク層が常に脱落する(押し出される)樹種では、樹皮が薄くなり、脱落しない樹種では、コルク層が何重にも重なり、樹皮が厚くなります。

 次回からは、樹皮が厚い樹木、斑状に剥がれる樹皮・・・などに分けて、お話したいと思います。

 

※以下、関連記事です。

 樹皮 外樹皮と内樹皮



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
樹皮 周皮の項の冒頭です (鈴木三男)
2018-12-20 16:19:59

樹木の内部(木部)が肥大成長することで、それを覆っている内樹皮(師部)の外周が引き伸ばされ、軸方向に裂けてしまいます(接線方向の成長応力によって、内樹皮が軸方向に裂ける)。

※あくまでイメージです。

 裂けた部分では、柔細胞などが有する生命活動の機能が衰え、そこにコルク形成層が形成されます。

この説明は根本的に間違っています。
周皮形成は表皮が裂けてから出来るのでは無く、周皮が出来てから表皮が裂けるのです。茎の肥大成長に伴って外周が増大して茎外層の組織への張力が増すことが刺激となって周皮形成が起こると考えられます。コルク層が出来るとその外側の組織は死滅しますので、裂けたり、剥がれたりするのです。
周皮について鈍案フウに書かれているのかネットで見ていて期になったモノスから、差し出がましいですがコメントさせていただきました。
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樹皮 周皮の項の冒頭です(訂正) (鈴木三男)
2018-12-20 16:23:35
すみません
誤変換のまま送信してしまいました。
下記に修正しました

樹木の内部(木部)が肥大成長することで、それを覆っている内樹皮(師部)の外周が引き伸ばされ、軸方向に裂けてしまいます(接線方向の成長応力によって、内樹皮が軸方向に裂ける)。

※あくまでイメージです。

 裂けた部分では、柔細胞などが有する生命活動の機能が衰え、そこにコルク形成層が形成されます。

この説明は根本的に間違っています。
周皮形成は表皮が裂けてから出来るのでは無く、周皮が出来てから表皮が裂けるのです。茎の肥大成長に伴って外周が増大して茎外層の組織への張力が増すことが刺激となって周皮形成が起こると考えられます。コルク層が出来るとその外側の組織は死滅しますので、裂けたり、剥がれたりするのです。
周皮についてどんな風に書かれているのかネットで見ていて気になったものですから、差し出がましいですがコメントさせていただきました。
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