山の中を歩いていると、岩の隙間に根を伸ばす樹木をよく見かけます。
よく見かけているのか、そこに注目するからよく見かけるのか、定かじゃないんですが、「樹木の根は岩の隙間がお好き。」という偏見をもって、観察しています(^_^;)
岩の隙間は、土壌よりも水が蒸発しにくくので、きっと水が溜まりやすいのでしょう。
その上、草本類もなく、水の競争率が低いと思われるので、樹木の根は岩石の隙間に溜まる水を求めて、のばしているのではないのかなーと。
植物がある刺激によって成長方向を変える現象を「屈性(くっせい)」といいます。
屈性は2種類あって、ある刺激の方向に向かって成長する正の屈性、刺激の反対方向に向かって成長する負の屈性があります。
水を求めて岩の隙間に根を伸ばすのは、正の屈性ですね。
逆に、土壌水分が多すぎる場所に根を伸ばさないのは、負の屈性となります。
このように、水(湿度)という刺激による屈性を「水分屈性」といいます。
小さな岩の隙間に根を伸ばし、分岐した小さい根も、小さな岩の隙間に根を伸ばしています。
ほぼ直角に右側の小さい隙間に向かって伸ばす姿は、まさに正の水分屈性ですね。
岩の隙間にヒノキが根を伸ばしていますが、これも、正の水分屈性。
ヒノキ人工林に囲まれたアカガシの巨木。
アカガシの樹勢調査を行ったとき、根の広がりを調べてみると、大きな岩石や集水地になってる岩石の谷に向かって、根を伸ばしています。
水を求めて、樹木が根を伸ばすのは、正の水分屈性。
逆に、水分が多すぎる場所には、樹木が根を伸ばさないのは、負の水分屈性。
樹木も、イヤな物はイヤ!と主張しています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます