ソメイヨシノなどサクラの開花についてのお話です。
次の写真は、ソメイヨシノの冬芽と花芽で、丸みのある手前の芽が「花芽」です
冬の花芽は休眠し、冬を越します。
この休眠から目覚めることを「休眠打破」といい、花芽の休眠打破には低温による刺激が必要です。
そして、日本の多くの樹木では、休眠打破に必要な低温刺激の有効温度は5℃以下と言われています。
なお、この休眠打破は低温刺激、つまり温度が関係するもので、日長などとは関係ありません。
それでは、順を追って、説明します。
1)花が咲き、やがて、夏になると、花芽を形成します。
2)花芽は、次第に短くなる日照時間を感じ取ります。
3)そして、葉が、冬芽の休眠を促す植物ホルモン「アブシシン酸」を作り、花芽に送り、翌春まで休眠させます。
4)秋までに形成された花芽は一度休眠し、冬の気温が5℃以下になると、その低温刺激で休眠が解除(休眠打破)されます。
5)春、気温上昇に伴い、花芽が成長して開花します。
という感じです。
簡単に言うと、「花芽は夏に作られ、冬になると休眠し、気温が5℃以下になると、低温刺激によって、休眠が解除され、気温が暖かくなると開花する」ということです。
ちなみに、気温が高い日が続くと、サクラの花は早く散ってしまいます。
しかし、花芽が作られる8~9月頃に、台風やモンクロシャチホコなどの虫害等によって、葉に大きな障害を受けたり、秋に気温が急激に上昇するなどが起こった場合、花芽の休眠作用が狂ってしまい、休眠が解除されてしまうことがあります。
そして、10月頃、一度、気温が低下し、その後、気温が暖かくなったりすると、春でもないのに間違って、開花することがあります。
これが「狂い咲き」と呼ばれる現象です。
だけど、ソメイヨシノは、外部の影響による障害を受け、それでも素直に自然な気温の変化に反応しているだけなので、「狂い咲き」という呼び方は、ちょっと失礼じゃないかなーと思ってしまう(-_-)・・・・。
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