はぐくみ幸房@山いこら♪

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スズメバチ 予防と対策

2020年08月11日 | 危険な生き物のお話

 毎年20名前後の死亡者を出している野外で最も危険な生き物と言える「スズメバチ」。

 この季節になると、次第に大きくなった巣が目立ち始め、「いつの間に!?」と思うような場所で、巣が見つかっているところもあるかと思います。

 今回は、スズメバチに刺される時、刺された時の症状、刺されないための対策と予防などについてのお話です。

  

■スズメバチに刺される原因■

 大きく分けて2つ。

  ①スズメバチを攻撃した

  ②スズメバチの巣に刺激を与えた

 主に②で刺される事例が多いと思います。

 直接、巣を刺激しなくても、振動を与えた・触れた枝の先端が巣に触れた・巣の近くを歩いて振動を与えたなど間接的に巣を刺激した場合も刺されます。

 巣を刺激するつもりはなくても、スズメバチが攻撃されたと判断すれば、(理不尽ですが・・・)刺されます。

 ホント、こんな垣根の中に巣を作るな!と、訴えたい ( `ー´)ノ。。。

 

■スズメバチに刺されたときの症状■

 一般的な話になりますが、刺されたときの症状です。 

  ①刺された箇所が腫れる

  ②ショック症状

 ショック症状は、さらに3段階に分かれます。

  軽度:顔や体が赤くなる、吐き気、発汗、めまい、全身にじんま疹など。

  中度:喉が詰まった感じ、喉の痺れに渇き、胸の苦痛、腹痛、下痢、嘔吐、頭痛、めまい、全身のむくみなど。

  重度:呼吸困難、血圧低下、動悸、口から泡を吹く、手足が痺れる、唇の失血、脱力感、耳が聞こえにくくなる、目が見えにくくなる、体がうずくまるなど

 

 一番、危険な症状で、配慮すべき症状が「ショック症状」です。

 刺された直後は、なんともない場合が多く、ショック症状は刺されてから15分以内に発症するとされています。

 なので、刺されてから15分以上経過し、ショック症状が出なければ、腫れで終わる場合が多いと言われています。

 ただし、ショック症状が出たら、速やかに病院へ運ぶしかありません。

 救急車など車が横づけできる場所はともかく、山の中では、刺された人を運び出さないといけません。

 そして、一番怖いのは「アナフィラキシーショック」。

 昔から「ハチに1度刺されたら2度目は死ぬ」と言いますが、これは正しくありません。

 アナフィラキシーショックはハチ毒に対するアレルギーの有無が関係しています。

 そして、アレルギー体質は人によって異なるため、本当に2回目で亡くなる方、10回刺されても大丈夫な人、20回刺されても平気だった方が21回目で命を亡くすこともあります。

 

■スズメバチへの予防■

 スズメバチに刺されるリスクを抑える・被害を最小限に抑えるため、予防は必要です。

  ①巣に近寄らない、触らない

   見つけたら危険表示を行い、注意喚起を行う(駆除業者へ依頼。)。

 ②黒いものを身に着けない

  ハチは、黒いものに対する攻撃性が高いので、森の中では、黒いものを身につけないようにしましょう。

  そのため、髪の毛や顔辺りは標的になりやすく、もっとも被害を受けやすい部分になります....。

  頭を覆い隠せる深めの帽子をかぶり、少しでも黒い部分の露出を抑えましょう。

  ちなみに、ミツバチは、あまり黒いものに反応しません。

 ③近寄ってきたハチを追い払ったり、殺虫スプレーをかけない

  攻撃された!と思って、反撃してくることもある。

 ④香水、整髪料、清涼飲料水、柔軟剤など甘い香りがする物は避ける

  ハチは匂いでコミュニケーションを取ります。

  そのため、整髪料、香水、清涼飲料水、柔軟剤など香りが強いものは、ハチの攻撃性を高めるおそれがあります。

  森の中では、香りが強いものを持たない・身につけないようにしましょう。

 

■スズメバチの攻撃パターン■

 スズメバチに刺されないため、もう1つの予防策として、スズメバチの攻撃パターンを知ることです。

 ①スズメバチは巣に近づく者がいると、巣の見張りバチが警戒し、近づく者や巣の周辺を飛び回る。

  もし、自分の周辺をぐるぐると飛び回るハチがいたら、巣に近づいている可能性があるため、気を付けること。

 ②それでも、さらに巣に近づくと、警戒飛行中の見張りバチが、羽音と牙を使って、「ガチガチ」という警戒音をだし、「近づいたら刺すぞ!」と脅す。

 ハチを刺激せず、ゆっくりと低い姿勢になり、その場から離れる。

 もし、ハチの巣を見つけたら、「巣が近くにある」という、危険表示をしておく。

 

 

 ↑ この牙を「ガチガチ」ならす・・・コワイ・・・。

 

 ③間接的に巣を刺激した(振動を与えた等)時、ハチの威嚇を無視・威嚇に気づかず、そのまま巣に近づいた時、巣から大量のハチが飛び出し、警戒バチ・威嚇バチが先頭に刺しにくる。

 直接巣を刺激したり、巣を壊したりすると、問答無用に襲いかかってくる。

 「こいつは敵だ!」というフェロモンを出し、次々と巣からハチが襲ってくる。

  噛みついて何度も刺しまくったり、毒針から直接毒液をかけたりする。

 

  頭上でタオルなどを振りまわしながら、姿勢を低くし、早くその場から離れる。

  このとき、殺虫スプレーがあれば、まきながら逃げる。

 ただし、スズメバチが近寄ってきただけの場合は、殺虫スプレーをまいてはいけない。

  =ハチを刺激し、反撃するおそれがあるから。

 でも、スズメバチに攻撃されたら、殺虫スプレーをまきながら逃げる。

  =何をしても、刺しにくるので、スプレーをまいて、攻撃を緩ませる。

 

 

■刺された時の対策■

 スズメバチに刺された時の一般的な対策について

  ①刺された時、ハチの巣が近くにある場合は、その場から避難する

  避難したら、日陰で、横になって休ませる。

  ベルトやボタンなどをはずして、楽な姿勢にしてあげる。

 ②毒針が残っていたら、吸引器で取り除く(同時に毒も取り除ける)

  ▶指などで摘み出さない。針に毒液が残っていると、さらに体内に毒液が入ることに・・・。

  ▶口で直接、毒液を吸い出したりしない。二次感染の防止。

 ③毒は水に溶けやすいので、傷口を摘んで、毒を出しながら洗う。 

 ④患部に、抗ヒスタミン剤含有のステロイド軟膏を塗って、冷やす。

 ⑤吐き気、下痢、じんま疹、全身のむくみ、呼吸困難などショック症状と思われる症状が出たら、すぐに病院へ運ぶ。

 

 ハチに刺されたら「おしっこをかける」と言いますが、これは、間違った処置です。

 ハチ毒に対して、アンモニアが良いという科学的な根拠はありません。

 このような応急処置は、不適切なので、決して行わないで下さい。

※2017年8月の記事を改編


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