あぶない虫と言えば、真っ先にスズメバチやマダニが頭に浮かぶと思います。
今回は、畑に潜むスズメバチやマダニ以外の危ない虫についてのお話です。
体内に毒液をもつタイプの虫で、その毒液に触れると皮膚炎を起こしてしまいます。
「アオバアリガタハネカクシ」
体長約6-7mmと非常に小さい虫ですが、体液にペデリンという成分を含み、うっかり潰して、皮膚に体液が付着すると水膨れが起こり、体質によっては、激痛が続くこともあります。
また、体液が眼に入ると、激痛があり、結膜炎や虹彩炎を引き起こすことがあります。
もし、体液が皮膚に付着したら、その部分を水でしっかりと洗い、ステロイド含有の抗ヒスタミン剤を塗布し、冷やして下さい。
眼に入った場合は、すぐに水で洗い流し、病院(眼科)での診断を受けましょう。
アオバアリガタハネカクシは、湿気のある場所によく潜むため、水田や河原などで、よく出会います。
写真だけでは、サイズ感が分からないと思うので、動画をご覧下さい。
小さい姿でウロチョロするので、畑仕事の際は、うっかり触れたり、潰したりしないように気をつけて下さい。
「ツチハンミョウ」
青っぽいボディに「おっ!」と、引き付けられる方がいるかもしれません。(僕は引き付けられるので(^_^;))
しかし、うっかり触れて、刺激を与えてしまうと、関節から黄色い毒液を出し、その毒液が皮膚に付着すると水膨れが起こり、激しい痛みを伴います。
この黄色い毒液には、「カンタリジン」という成分が含まれており、この毒液が体内に入ると死に至ると言われています。
ちなみに、致死量は30mg・・・だそうです。
実は、ツチハンミョウの毒は、江戸時代に暗殺用の吹き矢の毒液として使われていたそうです。
いわゆる「ハンミョウの毒」とは、このツチハンミョウの毒をいいます。
ツチハンミョウは、森の中にも生息しますが、普通に畑でも見かけます。
動きがゆっくりなので、畑仕事の際は、うっかり触れたりしないよう気をつけて下さい。
ツチハンミョウと同じく「マメハンミョウ」という虫も、「カンタリジン」を含む毒液を出します。
このマメハンミョウも暗殺に使われていたらしい・・・です。
マメハンミョウの死体を乾燥させ、粉末にしたものとご飯を混ぜ、ターゲットに食べさせていたそうです。
また、マメハンミョウは、ダイズ、ジャガイモ、ナスなどを食害する農業害虫でもあります。
このような作物を育てている方は、マメハンミョウに気をつけて下さい。
なお、マメハンミョウの写真は、僕の手元にないので、写真なしで説明させていただきました(^_^;)。
なお、ツチハンミョウやマメハンミョウの毒液が皮膚に付着した場合は、直ちに水で洗い流し、冷湿布し、抗ヒスタミン剤含有ステロイド剤を塗布して下さい。
症状が酷い場合は、病院(皮膚科)を受診して下さい。
以上のように、ハチやマダニ以外にも危ない虫が、身近に潜んでいます。
畑仕事や除草作業など、土に触れるときは、アオバアリガタハネカクシやツチハンミョウに気をつけて、作業して下さい。
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