『シャボン玉ホリデー』
『ゲバゲバ90分』
『カリキュラマシーン』
今や伝説の番組の演出氏の話を聞くことができた。
いろいろと興味深い話があったが、
特に印象に残ったのは、
『シャボン玉』が番組スタート時から、
当時まだ珍しかったカラーだったことに関する話だ。
「面倒だからやりたくなかった」
カラーという新しい技術に、
みんな積極的だと思っていたが、
実はそうではなかったらしい。
理由はいくつかある。
①セットの色をちゃんとしないとダメだから面倒。
(白黒時代は濃淡だけで色は関係なかった)
②カメラが巨大で機動性が悪い。
③当時のカラー用カメラは真空管(?)だったので、
いちいち光の3原色ごとに調整が必要であり、
毎回、時間がかかった。
とにかく面倒で、
できることならカラーはやりたくなかったそうだ。
なるほど。
だが、彼らが決して保守的だったわけではない。
『ゲバゲバ』がスタートとする頃、
『8時だよ!全員集合』も始まった。
それについて当時、どう感じたか聞くと、
「コントは『シャボン玉』でやりきったと思っていた。
新しい笑いにしか興味がなかった」
だから、コントである『全員集合』は、
意識することがなかったそうだ。
もちろん、『全員集合』にもそれまでにない新しさはある。
それはさておき、
ここで注目すべきは、
彼らは自分たちの実績に満足することなく、
それを捨て、
新しい境地に向かおうとしていたその姿勢だ。
21世紀にテレビを作る僕たちも、
これだけは真似しなければいけない。
そう思ったのだ。