天理にある石上神社から、山の辺の道を歩いた。
この道を歩く目的は人それぞれだろうが、
僕の場合、目的は道中に点在する古墳を見ることだった。
道中には航空写真が添えられた丁寧な案内板があり、
とてもわかりやすい。
いくつも古墳を見て歩いた中で、
僕のお気に入りを1つ挙げるとすれば、
「西殿塚古墳」である。
ガイドブックや案内板には「衾田陵」と表記されており、
継体天皇の皇后が祀られているという話だが、
考古学的に見ると、古墳の形状と継体天皇の時代に開きがあるらしい。
なので、ここでは西殿塚古墳と記すことにする。
この古墳、山の辺の道から少し脇に入ったところにある。
案内板が出ているが、その先にあるのは住宅。
本当にこっちでよいのかと不安になる。
住宅のあいだを抜けていくと、
今度は目の前に果樹園が現れる。
果樹園のあぜ道を歩いていくと、
目の前に小山が現れる。
それが、西殿塚古墳である。
前方後円墳といえども、
真横から見たらただの小山だ。
だが、不自然にそこだけ盛り上がってる様は、
明らかに人工物である。
周囲には春の若葉をつけた果樹園。
背景には奈良の山々
青い空。
そのあいだに鎮座する緑濃い丘。
すべてがいったいとなったその景観が、
なんとも心に響く眺めだったのだ。
もし山の辺の道を歩く機会があったら、
ぜひ脇道を入って、見に行ってみてください。