先日の『古舘伊知郎トーキングブルース』の中で、
「大切なものはすべてタダ」
という話が出てきた。
僕たちが食べる魚も野菜もそれ自体は金銭を要求はしてこない。
僕たちがお金を支払っているのは、野菜を作る人間や魚を獲る人間に対して、
魚や野菜自体はタダである、という話である。
この話は清水寺貫主の森清範さんのお話が元ネタで、
仏教的な考え方に基づくものだろう。
しかしその一方で、
だからこそ人間の手によるものがタダだと、実は怖い。
最近、仕事の連絡にLINEを使うケースが増えているが、
この前、LINEに不具合が生じ、連絡に行き違いが起きたことがあった。
その時、急に思ったのだ。
「LINEに不都合が生じた時、僕たちは文句を言うことができるのか」
これがdocomoやSoftBankを使ったメールであれば、いくらでも文句は言える。
そのために料金を支払っているからだ。
しかし、LINEはタダ。
「そうは言いますけど、お客さんも料金を支払っているわけじゃないですよね」
と言い返されたら、返す言葉がない。
twitterにしても、Facebookにしてもそうだ。
SNSは、大半がタダ。
なんと危ういものに頼りきっているのだろうか。
あらためてそう考えた途端、急に怖くなってきたのだ。