新国立劇場で『ワーニャ伯父さん』を観ました。
古典作品なので、事前に戯曲を読んで予習。
戯曲を読んでから芝居を観る楽しみは、
登場人物たちがどんなふうに舞台上に現れるかのドキドキ。
今回は特に、
黒木華さん演じるソーニャと、
山崎一さん演じるセレブリャーコフに感じ入りました。
ソーニャ、ラストの長台詞が感動することは、
観る前からわかっていましたが、
その健気さ愛らしさは想像以上でやられました。
そしてそれが、宮沢りえさん演じるエレーナの「悪い女」感を
より浮かび上がらせていました。
(第二幕終わりのエレーナとソーニャのシーンも、よかったなあ)
セレブリャーコフは、
戯曲を読んでイメージしたより喜劇的でした。
(何度も笑いがこみ上げてきました)
それでいて物悲しさというか可哀想な感じが漂う、
あの人物像はチェーホフが意図したものなのか、
それとも山崎さんが演じたからこそ現れたものなのか。
今度上演台本が活字化されるみたいなので、
それを読んで考えてみようと思っています。
以下、少々ネタバレになりますが、
休憩後の第三幕冒頭、自然と引き込まれていく演出、
第三幕終盤、行き場なしの緊張感(KERAさんのお手の物ではありますが)、
第四幕最後、「静かに幕」とあるト書きの演出なども印象的でした。
9月26日まで。