今夜ト書きの数を数えましょう①

2019年12月30日 15時18分39秒 | エンタメのかけら



『大辞林』によれば「ト書き」とは
「脚本で、せりふの間に、俳優の動き・出入り、照明・音楽・硬貨などの演出を説明したり、指定したりした文章」
とある。

この説明文からイメージするのは、せりふから行間を空け、文頭を数段下げて記される、
あの「ト書き」だろう。

だが、戯曲を読むと、他にも、せりふ中に(  )で表記されているト書きがある。
このト書きを指す演劇用語があるのかどうかは知らないが、
ここでは仮に「せりふ内ト書き」と呼ぶことにしよう。

この「せりふ内ト書き」が気になったきっかけは
『修道女たち/ケラリーノ・サンドロヴィッチ』を読んでいた時である。

単純にこう思ったのだ。

「(せりふ内ト書きが)やけに多い」

しかしこの時点では、あくまで印象に過ぎない。

本当に多いのかどうか。

そこで今回、適当に本棚から抜き出した4作品で「せりふ内ト書き」の数を数えてみることにした。

その4作品とは、

『ロマンス/井上ひさし』
『天才バカボンのパバなのだ/別役実』
『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン/松尾スズキ』
『修道女たち/ケラリーノ・サンドロヴィッチ』

とはいえ、各作品、そもそも長さが異なるし、全編数えるのは大変だ。
そこで中程の、会話の多そうな部分10ページを抽出し、数えてみた。

各作品のせりふ内ト書きの数は、


『ロマンス』:30
『天才バカボンのパパなのだ』:27
『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』:11
『修道女たち』:45

印象は間違っていなかった。

そして、数えているうちに、「せりふ内ト書き」が分類できることもわかってきた。
その分類の詳細、分類した時の各作品の傾向などについては、今後また書くかもしれないし、書かないかもしれない。


とりあえず今回はここまで。