灯台が点灯する瞬間を撮影する必要があったのだが、
こんなに難しいとは思わなかった。
灯台が点灯する時間は定まっていない。
センサーが周囲の明るさに反応し、
それがスイッチとなって点灯するのだという。
知らなかった。
一応、日没の時間が目安になるそうだが、
空模様によっては、点灯が早まることもある。
灯台を管理する海上保安庁の方でも、
正確な点灯時刻はわからないというのだから仕方ない。
灯台がよく見える場所を陣取り、
その日は快晴だったので、
日没の20分ほど前からカメラを回し始めた。
総勢20人ぐらいが灯台をじっと観ている。
なんとも不思議な時間だった。
「あ、回り始めました」
誰かが言った。
灯台は光るより先に、
光源とレンズが回り始めるのだ。
それも今回はじめて知ったことだ。
灯台に明かりが灯る。
最初、光は写真のように緑がかっている。
それが次第に白くなっていく。
これも今回、初めて知った。