実際にハンドルを握って走った印象です。
エンジンについて何かと話題の小排気量ディーゼルターボ、SKYACTIVE-D1.5 なのでかなり期待して待ってました♪
くしくもSKYACTIVE-D2.2を試乗した直後のため、比較できたのもラッキー。
で、エンジンの性格は「基本的には兄貴分のD2.2に近い」って感じました。
全般にぶ厚いトルクが満ちてる事で、かなり豪快にボディーを引き吊り回すことが可能です。
違うのは「パワーの出方」。
排気量が小さい事、兄貴分が帯域によって役割分担する「2ステージターボ」なのに対し、1つのターボを可変ジオメトリー化させる事で全域をカバーしようとする差があるようです。
加速すると、およそ2,000回転チョイまでは比較的モワーっとした大人しい印象です。
それを超えるとターボが利き出すのか、かなり急激にパワー(トルク)が盛り上がる傾向が。
エンジン音が高まり、みるみる車が速度をのせて行きます。
4,000回転辺りまで豪快な加速を続けますが、恐らく出力的にはその辺りがピークなのかも知れません。
踏み続けると、更にレッドゾーンまで回転が上昇を続けます。
こんなに高回転まで吹け切るディーゼルエンジンっていったい(汗×3。
良くできたオートマ制御で、普通に走ってる分には3,000回転手前までを上手に使って走ってくれる印象です。
その際、瞬間燃費表示を見ると、悪くとも12~14km/Lは出るので燃費良さそうですね。
この低回転からエンジンの出力が高まる間の急激なトルク変動が、今度のデミオ・ディーゼルを「乗り易い」と感じるか「乗り難い」と感じるかの大きなポイントになるのではと思います。
その昔、クロカン四駆がこぞってディーゼルターボを採用した時、例えば三菱ジープのJ53やJ55のように加速途中から急にトルクが盛り上がる「ドッカン!ターボ」に比べれば全然扱い易いものの、下から上まで滑らかなトルク曲線を持つ兄貴分のD2.2とかと比べるとアクセル操作には少し慣れが必要かも。
これまた昔ながらの発想ですが、このトルク属性を「逆手に取る事」ができる人なら相当面白いエンジンに評価が変わると思います♪
なんたってこの車には、パドルシフト(Mモード)という人為的に駆動をコントロールできる素晴らしいアイテムが付いてますから♪
市街地を普通に「流すだけ」なら、殆どがトルク変動の起こる下、およそ2,000回転以下でロックアップ制御されてるようです。
なので、積極的に飛ばそうとしない「普通の人」でもガソリンエンジンに比べれば豊かなトルクが既に出てるので、ターボの恩恵が薄い域ばかりでも不満を感じる人は少ないと思う。
想像以上に良くできたSKYACTIVE-D1.5。
音について触れてみます。
ディーゼルっぽい音は、うん確かにします。
アクセラのD2.2でも音はするのですが、耳障りな音と感じる人は少ないかもしれません。
ただ、トラックやバスのディーゼル音に「抵抗感」を持ってるような場合は、気になるか。
まぁああいった音とは全く違う次元の音なんですが、ねw。
ディーゼルだなって音は、アイドリング時や加速時に多く感じました。
気のせいかも知れませんが、全般にアクセラよりもデミオのディーゼルの方が音が静かな気がしたんですよねぇ。
始動時や、アイドリングストップからの再始動時にガララってディーゼルっぽい音がやや気になったのはデミオなのですが。
総じてとても良くできたエンジンだと思います。
これで世界初の排気ガス後処理装置無しを実現してるって、マツダは何て技術集団なのだろう(汗。
これも私感なのですが、アクセラとデミオでは若干エンジン音が異なる気が。
アクセラは低圧縮比の恩恵か、角を丸めて良く抑え込んだ「ディーゼル音」って印象なのですが、デミオの場合はもう少しこもったというか、どこかで聞いた音のような気がして。
試乗中、ずっと「この音って何か懐かしい気がするのだが」って記憶を手繰ってました。
ふと、「この音って、昔のレオーネや初期のレガシー、インプレッサの水平対向エンジンを吹かした時に似てるかも」って!
あの、ちょっと眠そうでいて力強い独特のエンジン音に何となく私の中のイメージが近いんです。
もちろん、ガソリンの水平対向エンジンの音色ほど上品とは言えないかもしれませんが、受ける印象(雰囲気)がイメージとしてダブり、営業所に戻るまでの走行が楽しい事といったら(笑。
ディーゼルディーゼルした音を望む人(どんな人?)には全然物足りないけど、今風の新しいジャンルとして刺激を探してる人にはかなり美味しいパワーソースが登場した気が今はしてます。
いやぁ、これ病み付きになりそう(笑。