今となっては滅多に見る事が無いLC70系。
クロカンフィールドではまだ多いようですが、LC40系と違って生活の中の一部として愛用するマニアが少なかったのか本当に街中では見ず残念。
とはいえ、LC40系の後に登場したLC70系は今見るとまだまだ「荒馬」の印象が。
実際、中期以降に登場するコイルバネをフロントに持つバリエーションでさえかなりの走破性を発揮するそうです。
こんな地形にトライできるのも、全長全幅がコンパクトで足が長く、十分なトルクが発揮できたLC70系の凄さじゃないかな?
再販されたランクル70を見て多くの人が残念に思ったかも。
こうしたフィールドでも絶大な威力を発揮した「ランクルの再来」を期待すれば、肩透かし感になりますね。
因みにこの「スリバチ」は進入して90度方向を変えて脱出するという、クロカン競技では定番のセクションです。
「どんな地形でも必ず前進し目的地に着ける」、私は「ランクル」のイメージにそんな信頼が含まれると感じます。
相棒として信頼でき、共に楽しめたあの頃の「ランクル」が懐かしい。
こちらが恐らくLC70STD、私が一番好きなLC70系だと思います。
乗用車に乗ってた友人が奮起して買ったLC70STDは、5気筒ディーゼル+5速MTで幌車という普段使いも遊びもこなす素晴らしい車でした。
今見てもコンパクトで、4,045mm×1,690mm×1,895mmは全高こそ高いものの、今注目しまくってる新型デミオとほぼ同サイズ!
そこに3,469ccのディーゼルエンジンですから非力なワケが無い。
取り回しが楽だからコンビニにちょこっと、なんてのも全然Ok!
ちゃんとエアコンも付きます(笑。
フロントブレーキがディスクになってるので、安心度が高まったのもこのモデルの良さ(LC40系は四輪ドラム)。
幌となればオープンにしたいところですが、このモデルはトヨタが「幌だけどクローズドに近い快適性を!」と奮起したのか、正直外すのは並大抵な事じゃ無くなったのが残念かな。
何で幌なのにリアガラスがビニールじゃなくて「ガラス」なんだか(汗。
アフターの簡易幌に換装、多少の雨漏りでも良しとしたオーナーが居たの判るかも。
とまぁ、時代の向こうに消えて行ったクロカン四駆の一つを思い出すと寂しいものです。
大きな理由は「四駆ブームの終焉」だったのは間違い無い。
ただ、オイルショック時に設けられた軽油の税制優遇措置(リッター60円とかって…)の終了、4ナンバー車(小型貨物登録)の税金引き上げ、メーカーによるディーゼルエンジン改良敬遠(各メーカーはガソリンに注力してた)による化石化等が要因だったのも見逃せない。
残念ながら、今の自動車保安基準は「乗用車」を基準に設けられているため、こうしたクロカン四駆を生かす余地は考慮されてない。
ランクル70再販の件も、こうした時代の流れに阻まれての苦肉の策だったかも。
納得はできないけど理解しなきゃいけない現実。
判っちゃいるけど、それでももう一度素晴らしい「ピュアなLC70」を望んでる自分が居たりするワケで。
「あの素晴らしきランクル70系よもう一度!」