デジタル朝日<フォーラム>面、PTA特集第3弾が昨日出ました。
「本来は先生の仕事では」 PTA活動、読者の声を紹介
朝日新聞:150510 朝刊9面(オピニオン)です。
オピニオン、ってことは、朝日の社説扱いなのかしら。
誌面はたいだい縦に3分割された構成で、中央にWebアンケート(質問:PTAについてどう思いますか?)の集計結果と新聞記事が載っています。左右には、コメントが載っています。
このwebアンケートは、
募集期間2015年4月23日-5月7日
計2104回答
※ うち、意見の書き込みは1400
だそうです。
アンケート回答者のうち、半数強が「PTA役員・元役員」という点が興味深いです。きっと、我が事で一番関心が高いからじゃないでしょうか。「PTA会員・元会員」を合わせると、全体の4分の1。「教員・元教員」が0.5割弱。ここの意見はとても貴重だと思います。そして、その他が1.5割強です。
アンケート質問3大項目
- 問1.PTAのイメージは?(複数回答可)
- 問2.PTAに期待するものは?(複数回答可)
- 問3.PTAに改善してほしいところは?(複数回答可)
のうち、150510の誌面・デジタル朝日で結果紹介されたのは、問1.、問2.のみです。
「問3. PTAに改善してほしいところは?」の結果は、個人的に注目したいところ。トップ3だけ結果を紹介します。
- 活動内容の簡素化
- 役員・係の決め方
- 全員加入が当たり前のこと
もっとも、こちらの回答結果は、150503のデジタル朝日のほうで、本文中にさらっと触れられています。集計の中間結果と、最終結果では順位が変わらなかったということだと思います。
- 左: 「女性のやり方 知る機会」
- 右: 「本来は先生の仕事では」
●虫のよい「タダ働き」
活動は、学校都合によるものが多いお金の出納、学校職員の人員不足を補うためのお手伝いが非常に多い。「暇であろう主婦をタダで学校のために働かせる」という虫のよさが感じられる。市は予算がないからと必要な修繕費も出さず、学校は後援会費を当てにする。防犯用の玄関のオートロックまでPTAからの寄贈だ。(青森県・40代女性)
●人材、財源を補う存在(まさしくそう。教育条件の良い東京都元教員のご意見)
●上納金確保が腕の見せどころ
教員の立場から見ると、校長・教頭は、PTA(保護者)をうまくコントロールして、学校に干渉しない無害な活動(ママゴト・組織ごっこ)で自己満足させながら、上位団体に上納する資金だけはきっちり確保する能力が問われます。(福井県・30代男性)
●会費の運用で人件費を捻出
かつて市PTA協議会の理事を務めた。会費徴収はほぼ強制で、市P協は会費の一部で子供の安全を守ると称して保険事業を運用し、収益から市P協と市内10の区PTA連合会事務局で退職校長を事務局長として雇った人件費として毎年2千万円以上支出していた。(北海道・50代男性)
*** 中央の記事から抜粋(赤字は引用者) ***
■議論のきっかけに
「やってよかった。PTA経験は私の人生の宝物」「うんざりです。全部廃止してほしい」
お互いに交わりようもない意見の数々が隣り合って並ぶコメント欄は、PTAに対するスタンスについて理解し合うことの難しさを象徴しています。
3年前にPTAを取材し始めた頃と比べ、「PTAは入退会自由」の原則を知る人は増えたように思います。しかし、「強制されるべきではないのに」「文句を言うなら退会すればいい」という新たな摩擦を生んでいるようです。
今回、多くのPTA役員・元役員も、動員の悩みや会費の上納、地域、政治との距離感などに関して経験者ならではのコメントを寄せてくれました。「専業主婦VS.働く母親」「参加する母親VS.無関心な父親」との見方は、一つの構図に過ぎないと気づかされます。
1400通のコメントを共有することで、少しでも議論が前に進まないでしょうか。次週は、各地の具体的な取り組みを報告します。
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