3日前の日曜日に、朝日新聞で出ました、<フォーラム>PTA特集の第5弾、オピニオン9面です。
(150527追記:今回、私は朝日本紙のみを見てこのエントリを書きました。minminさまからコメントを頂いて、気づきました。デジタル朝日では、日P会長、尾上浩一氏のインタビューがより詳しく掲載されています。本紙にはない、記者の質問があるほか、尾上氏の回答がおそらく言葉そのまんま載っていると思われます。)
PTAに関する読者の疑問、組織トップの回答は?
最終回の今回、アンケートは「PTAは必要?不要?」という究極の質問でした。
評価項目は下記の7段階です。
- 絶対必要
- 必要
- あってもよい
- どちらでもない
- なくてもよい
- 不要
- 絶対不要
新聞では、4.の「どちらでもない」を中間地点として3.以下、5.以上を区分して集計しています。
でもこれ、3.と5.のニュアンスが微妙で、個人的には「あってもよい」「なくてもよい」が逆なんじゃないかな、と思います。ですから私は「あってもよい」に回答しました。その心は「PTAはなくてもいいけど、まともで楽しいPTAなら、あってもいいんじゃない?」というニュアンスです。
(150527追記)
私は2年前、まるおさんから「PTAは必要だと思う?」と聞かれたことがあります。そのときは、迷いに迷い、「わかりません」としか回答できませんでした。 ですから、上記のようなとてもデリケートな選択肢があり、ありがたかったです。
同じ「あってもよい」に回答なさった方のご意見を記事から抜粋します。
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【あってもよい】
●PTAはあった方がよいが、日Pは子育て世代の代表組織として政治的・社会的に意見表明する役割は終えている。
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日P会長のインタビューには、強い違和感を感じました。鈍感ね、このひと。会長さんには、2つの質問をしたいと思いました。
- 失業なさったこと、ありますか?
- 重い病気にかかったこと、ありますか?
私は2つとも、あります。ですから、とてもとても「忙しいから参加しない、なぜ?」なんて言えません。「忙しいから」というもっともらしく見える言い訳の裏に、どんな本音や事情が隠れているか、想像していただきたいものです。
ひとは、本当にやりたいことなら、忙しくても病気でも事情があっても、時間と都合をやりくりして、なんとかやろうとするものだと思っています。PTAがそうならないというアンケート結果が出たのは、なぜでしょうか?
取材班からのメッセージ、光って見えました。会長インタビューとの対比が鮮やかです。取材班のまとめを抜粋します。
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■〈取材班から〉不要の声が多い理由、考えよう
アンケートに全国から体験談が集まり、PTAの全体像が見えてきました。「仲間との楽しい思い出」といった熱い思いがつづられる一方、不満や苦痛を訴える声も大量に寄せられました。同じテーマについて語っているとは思えないほど、評価は割れています。
共働きや専業主婦、ひとり親など家庭の多様化、半強制的に参加させられる女性と本部以外の参加を期待されない男性、ピラミッド型組織動員といった問題も浮かんできました。まるで社会の縮図のようです。
日Pの尾上会長は、自分の理想的なPTAを語っているのかもしれません。しかし、「子どものため」という言葉は、異論を許さない同調圧力を生み出す場合もあります。役員決めで保護者が分断されたり、目的の不明確な行事にかり出されたり。そんな現状をこのままにしていいとは思えません。なぜ「PTAは不要」とする声が多いのか、もう少し耳を澄ますべきではないでしょうか。
寄せられたご意見の中には、こうした課題に一つ一つ向き合って、改革が進んだ例もありました。一方で、変えることを拒む前例主義と、限られた時間で改革を試みざるを得ない現実が、ぶつかる事例も少なくありませんでした。
PTAが入退会自由という原則は、知られつつあります。でも実際に退会を選ぶことは簡単ではありません。だからこそ、楽しむ人が増えるようなPTAの形を原点に戻って考える必要があるのではないでしょうか。今回の企画がその一つの手がかりになることを願いつつ、私たちは取材を続けます。
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記者6名のチームで取材なさったようです。アンケートを中心に据えて、客観性を保とうとしておられる報道姿勢には頭が下がります。このプロジェクトが始まってから記事になるまで、どれくらいの期間を要したのか想像もつきませんが、ありがとうございました!
引き続き取材をお続けになるとのこと、今後を楽しみにしております。