熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

ツツジと文章

2012-06-03 06:32:48 | 写真
6月3日(日)、薄曇り。

遅咲きのツツジです。
福井市博物館への原稿が一応出来上がりました。
誤字脱字が無ければ終了。

A4で3枚分ですが、ちょっと長いですかね。
「はじめに」の部分は刷り物ではカットしますが、説明会には使います。

冒頭部分のみアップしておきます。

ーーーー

         象牙の水無瀬駒と、葵紋蒔絵の将棋盤 
ーーはじめにーー
  4年前、福井県で古い象牙駒と、葵紋を蒔絵した美しい将棋盤が数百年ぶりに発見
  されました。その折には「将棋世界」誌平成20年9月号で、駒にハイライトを当
  てて紹介しました。
  その後はテレビのバラェテイ番組に登場したり、「将棋の日」には羽生名人と谷川
  九段の記念対局に使われたりして話題を呼びました。
  最近は寄託先の福井市立郷土歴史博物館において特別展示されるなどもあって、今
  回は将棋盤の歴史と工芸技術にもスポットを当てて紹介します。
                         元将棋博物館顧問 熊澤良尊


1、「水無瀬(みなせ)駒」と「葵紋蒔絵の将棋盤」
  本品は、昨年度当館へ寄託された「水無瀬駒と葵紋蒔絵の将棋盤」一式です。
  「水無瀬駒」は、16世紀末の高位な公卿・水無瀬兼成(かねなり)が書いた駒で、
  品格ある文字と端整な駒形は、近代将棋駒の手本ともされています。
  およそ4百年前に737組が作られて、時の後陽成天皇や関白秀次・公卿、そして
  歴史上の名だたる武将たちの多くが繰り返し買い求めた超高級駒です。
  中でも家康は、関ヶ原の戦いの前後数年間に53組を人手。庶民は弄ぶことすら憚
  られたといいます。
  本品の駒はその一つ。将棋盤と共に数年前まで某家の蔵に眠っておりました。
  4年前に所有者が変わったことで研究者の目に留まり、由来が明らかになりました。

  一方、盤は吉祥模様の「若松・唐草と葵紋」が金蒔絵で加飾され、その様式と盤の
  厚み、足の形から18世紀の徳川家、松平家いずれかの婚礼調度として作られたこ
  とが分かります。駒箱も同様です。
  盤面には駒を打ち下ろした凹みが無数にあります。側面の家紋の一部に剥脱と、駒
  の一部の漆が摩滅しているところなど、これらについては別項で解説します。


ーーーー

写真を加えるとA3裏表一枚。
適宜取捨選択、先方で印刷して自由に使ってもらいます。

では、また。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駒の写真集

リンク先はこちら」 http://blog.goo.ne.jp/photo/11726