熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
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天日ナヤシ

2014-07-23 05:57:20 | 文章
7月23日(水)、晴れ。

二十四節季は、大暑。
本格的な夏とは言え、湿気多し。
盛り上げはもう少しお預けです。

昨日の桔梗の花に、ホバーリングを繰り返す小さな虫。
名前は知りませんが、ハチ。
暫く観察してから、撮影。

ーーーー
先日、岩手県から届いた漆のテストの続き。
平面にベターっと塗るには良さそう。
しかし、ウルミが強すぎてシャープには乾かない。
結論は、駒には不向きとみました。
どうやら、精製方法に要因があるのではないかな。

折からNHKラジオで「輪島で天日ナヤシが始まった」ニュース。
「ナヤシ」とは、桶に入った生漆を掻き混ぜて均一化する作業。
[クロメ」という水分を飛ばす精製作業もある。

近年は、屋内で電熱を使いながら掻き混ぜて、その熱で水分を飛ばす方法。
天日ナヤシは、炎天下でかき混ぜながら、太陽熱を利用して水分を飛ばす。
数時間かけて行うのだそうだ。
お天気との相談だから面倒この上もないが、利点は大いにあるに違いない。

それを、輪島の一軒の漆屋さんが、今でも昔のやり方でやっているのだそうだ。
今年は今日からスタートした。
原料は、岩手県産の生漆。
今回は、30キログラム。

一口に漆と言っても、用途は様々。
平面を塗るのに適した漆もあるし、蒔絵のように図柄や文字を描くのに適した漆もある。
ポイントは、粘り気の度合い、光沢のありなし、乾きの早さ。

漆黒という言葉に代表される黒でも、その黒さ加減もいろいろ。
精製した漆を黒くするのは、鉄蔣との化学変化なんだそうだ。
書道の墨のように、松煙(黒い煤)を混ぜるのではありません。

一般的に、日本産漆は「サラサラ」という感じ。
よって、肉厚には盛り上がりにくい。
しかし、固まれば、がっちりと堅い。

一方、中国産漆は、粘っこい。
従って、肉厚に盛り上がり易い。
堅さは、日本産に比べてやや劣る。

最近は、MR(マイクロロール)漆がある。
精製を、2本のローラーで行うと、漆の粒子がより細かく均一になる。
何年も前のことだが、京都の漆屋さんに行った時、試しに購入して使ってみた。
日本産でも、この漆は駒には不向きだった。

理由は、ベターっとテカテカした光沢の強さ。
小生の趣味には合わなかった。
以前、漆塗りの自動車が話題になった事がありました。
この漆が、MR漆なんですね。

ということで、漆にもいろいろ。
日本産と中国産。
結論は、下地用には中国産。
盛り上げには、高価な日本産。
使い分けるのがヨロシイようで。







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