熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
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作品 文章 写真 販売品

梅雨入りか

2017-06-07 05:46:37 | 文章
6月7日【水)、曇り。

マダ雨は降っていませんが、梅雨入り間近の空色。
九州では大雨とか。

昨日は盛上げと、先日までに彫った駒への漆入れ。


ーーーー
今日は残りの盛上げを予定していますが、天候の変化が気になります。
ところで、盛り上げについてお尋ねがありました。
「漆を高く盛上げる条件」です。

これにはいろいろなことが関係してきます。
漆は表面が一日で乾くのが理想。
中の方は一日では固まらず、数日掛けて徐々に固まります。
全体が中まで固まるには、少なくとも数ヶ月かかります。

盛上げ時は、天候は数時間単位で変化し、それに応じて部屋の温度も変化します。
上手く盛上げる為には、使う漆の性質の違い、漆の技術、盛上げたあとの養生など、複数の条件が上手く重なり合って、思い通りの結果に出来上がる訳です。
ですから、このうち一つでもイマイチでは、上手く仕上がらないことになります。

コレクターは漆を高く盛上げたのを好む傾向があるようです。
しかし、実用的にはそればかりが良いとは思ってはおりません。
見た目と実用を考えると、実際には「バランスがとれたほどよい高さ」。
小生の場合は、見た目だけでなくタイトル戦などでの実用も重視しているので、一番良い落としどころを求めて作ります。

と言っても、漆は高く盛上げることが好まれることが多いようです。
そんなこともあって、高く盛上げるかどうかは、クライアントの希望を聞いて進めます。
この時は、意識的にやや高く盛上げて作ることになります。
漆を高く盛上げるには、先に述べたいろいろの条件がベストでなければいけませんので、ことさら気を付けることになります。
しかし、気を付けていても、思い通り上手く出来上がるとは限りません。
そんなときは、時間を掛けてやり直すことになります。
漆が高いと思い通りに仕上がる確率が少なくなる訳ですね。

では、また。

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