熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
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目止めの話

2018-05-15 20:09:10 | 文章
今朝の続きです。

目止めは、黒い漆が木地に染みこまないようにするのが役割です。
ですが、木地によって漆が染みこむ度合いは、随分変わります。
一般的に、島ツゲは薩摩ツゲほど木質が緻密ではないので、染み込みやすいと言えます。

ただ、島ツゲでも、染みこみやすいのと、染みこみにくいものとがあり、堅い根っこは染み込み難いし、幹の部分から採った部材の柾目などは、染み込むことが多いのです。
対して薩摩ツゲ場合は、緻密なんで相対的に染み込み難いのですが、絶対染み込まないとは言いきれないのです。

でも漆が染み込んだり染み込まなかったりでは困るので、染み込むリスクを回避するために、目止めをするわけです。
ところで、目止めは、木地と塗り込む漆との間を遮断しする訳ですから、木地と目止め、目止めと漆との食いつきがよくなければ、漆ハガレの原因にもなるわけです。
それを恐れる余り、目止めをしないのは問題で、汚く漆が染み込んだ駒を作ることになり、それは論外です。

では、どのように目止めをするかです。主な注意点とすれば、
1,食いつきの良い目止め剤を使う。(これは最重要)
2,過剰な目止め剤の塗り込みはしない。(過ぎたるは及ばざるがごとし)
3,塗り込んだ目止め剤は、完全に乾かす。(完全に乾いていないうちに、上から漆を塗り込まない)

まあ、そのほかにも注意すべきことはありますが、基本的なことを申し上げました。
先に問い合わせがあった、米糠は、全く目止めとしての役割は、ゼロに近いものだと思います。
それより、米糠の脂分が、生地に染み込んで、漆の硬化や食いつきに悪さを及ぼすのではないか。
かえって、良くないのではと思うのです。

なお、物理的に木地の気管を潰すことでも目止め効果はあります。
つまり、木地の表面をしっかり磨くことで、相乗効果が期待できるわけです。










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目止めについて

2018-05-15 06:15:01 | 文章
5月15日(火)、晴れ。

快晴のようです。
目止めについて、追加の質問をいただきました。

「盛上駒でお聞きしたいのですが、盛上げ前の目止めに米糠を使用している方がいらっしゃるそうです。
 米糠での目止めはどのように行なっていると考えられますか?
 また、熊澤様が盛上げる際に注意されていることをお聞きしたい」とのことです。

目止めの方法については、いろいろな作者がそれぞれいろいろな方法でやっていると思います。
また「やっていない」と言う人もいるようです。
ですので、目止めは、駒づくりにおいて、その結果の品質を左右する大きな要素の一つであると思います。
そして目止めは、

ーーーとりあえずここまで書きましたが、朝食の時間になり、そのあとは仕事を開始しますので、
   この続きは夜にでも。では、また。
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