熊澤良尊の将棋駒三昧

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大将棋駒、正しいのは「猫刃」、それとも「猫叉」?

2024-09-26 05:01:45 | 文章

3年前にアップしたページを加筆手直しし、再び、ここにアップします。

本日(2021年9月)、「大将棋駒」作成に着手しました。
「大将棋」は130枚の構成ですが、木地成型と並行して、資料確認に当たって、その中で「猫〇」という駒があり、〇を「叉」とするか、あるいは「刃」とするかの迷いです。
この迷いは、資料によって、あるものは「猫叉」あるいは「猫刃」と、文字の食い違いがあって、そのことは以前から問題として抱えていたのですが、今回、大将棋駒を作るにあたって、正しいものを明らかにして作ろうと思った次第です。

因みに「猫叉」は、昔から語られている猫の妖怪「ねこまた」であり、一方の「猫刃(みょうじん)」は、限定した一部の古将棋資料でしか見かけないものです。

私の考えでは「叉」と「刃」は、書き文字としてかなり似通っており、そのため誰かが、昔、誰かがどこかで「叉」を「刃」と読み間違ったり、書き違いをしたのではないかと思うのです。

その一つとして、江戸時代に編纂された「象戯六種之図」が怪しく、因みにそれより古い水無瀬兼成さんの「象戯図(将棋図)」では、いずれの古将棋も、すべて「猫叉」で書かれています。

別件ながら、
古将棋「摩訶大々将棋(象戯)」のことですが、
問題は、ある研究者(どこかの大学の教授、ネットゲーム研究者)が、なぜかこれを「摩訶大将棋」という自分勝手な短い名称に変えて、ネットや刊本、あるいは新聞などを通じて、これを世間に広めようとしており、これはおかしなことと言わなければなりません。
単なるミスなら許されるとして、「摩訶大将棋」と言う厚い本を出したり、
最近では、2023年7月14日、日経新聞文化欄にも「摩訶大将棋」というタイトルでの投稿掲載があり、ここで教授は出典として東京都中央図書館にある「象棊纂圖部類抄」(水無瀬兼成著、内容は水無瀬神宮の「将棋図と」同じ)を示していますが、これには「摩訶大々将棋」の駒の図があって、それには「摩訶大々将棋」と、正しい表題が書かれています。

教授の意図は、古将棋の「摩訶大々将棋」の面白さを世間に広めようとしているようですが、それなら、なぜ正しい名称で広めようとしないので、
敢えて、違った「摩訶大将棋」と言う別の名称で、学問の府でもある大学のホームページを含めて、世間に喧伝しているのでしょうか。
その意図が分かりかねますが、念のため「象棊纂圖部類抄」の部分を、以下に示しておきますので、ご参照ください。

なお、それによって最近は悪弊として、他の研究者も含め、誤った名前の「摩訶大将棋」で呼ぶケースも見聞きするようになり、益々、間違った呼び名で流布することに、大いなる危惧を抱いております。

即刻、本人は誤りを認めて、間違いを正してほしいものです。

 

 

コメント (3)
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