10月12日(土)、晴。
本日の映像は、愛用の漆筆(蒔絵筆)。
漆の盛り上げに使う極細の筆です。
穂先は、白い飼い猫の首周りの産毛を直径1ミリ程度に束ねたもの。
(首周りの毛は、他の部位とは違って擦れておらず、毛先の透明の細い水毛が、産毛そのままに残っていて、これが貴重)
もう20年くらい前に、作者が材料不足と老齢により廃業するというのを聴いて、一生分として20数本をまとめて買い入れました。
映像の右端が今回下ろした1本で、穂先に黒い漆がついています。
左の白軸と黒軸3本は、使用前の筆の姿。
これらを大切に使っているのですが、今回はそのうちの1本を、筆おろし(?)しました。
盛り上げの文字書きですが、実際に使うのは、穂先の本の先っぽのホンの1ミリくらいだけのところなのですが、漆の粘っこさに負けない筆全体の腰のネバリ強さと、穂先の水毛が命。
七
この筆のラベルは小判型の大阪「角岡嘉七製」で、今では、この筆のような上等品は入手できないので、貴重品ではあります。
ただし近年、これとは全く別の角型ラベルの「角岡製」もあって、一段も二段も劣った品質の別人の手による紛らわしい筆も出回っていて、充分な注意が必要です。
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早速、覗いてみます。
早速、インターネット検索しました。
過去に、何本か「角岡嘉七製」のものを持っていた人がいて、一本7000円とか、5400円で売られていた記事があって、「5400円では安すぎる」との感想もありました。
また、別口の品質が1段2段劣る「四角いラベルの角岡製」も出ていて、それは台湾からの出品のようでした。注意が必要。
>追伸。... への返信
すみません、以前なにかで漆の筆はねずみの髭の毛が最高と見たのですが、猫の首の毛がいいのでしょうか?
また、猫の髭ではダメなのでしょうか?
しょうもない質問ですみません。
「ネズミのヒゲ」は、硬直なので、すっきりした直線と言いますか、真っすぐな線を引くのに、もっとも適している漆筆です。
一方、「猫の玉毛」は、適当な腰の柔らかさがあり、直線より文字とか、曲がりある図形とか、文字を描くのに、良いわけです。
それは聞いた話ではなく、一度、実際に使ってみると分かります。
ご説明ありがとうございます。