4月15日(木)、晴れ。
寒さは平年並み。
木々には青葉。眼に優しい季節になりました。
毎日やっていることは、いろいろ。
そのうちの一つが、象牙の駒づくり。
400年前に作られた水無瀬駒の復元を400年前の手法で目指しています。
まもなく映像でご覧いただける状況になりつつありますが、もうしばらくかかります。
その前に、400年前の水無瀬駒の中に象牙製の駒が作られたことを知ることができます。
それは水無瀬家で綴られた「将棋駒日記」で、これは、関ケ原の戦いがあった1600年を挟む1590年から1602年まで、13年間の水無瀬家での駒づくりの記録で、この期間に735組の将棋駒が作られたことが記されています。そのほとんどはツゲ駒なのですが、わずかにツゲ以外の素材、白檀や桑、そして象牙製の駒が作られたことがわかります。
特に、象牙製の駒は5組と、限定された数でありました。
(この続きは、明日以降に)
4月14日(水)、時々雨。
今朝は、久しぶりの本格的な雨音。
昨日盛上げた駒に、いくつか不出来なモノが混じっていました。
昨夜の雨が原因なのですが、そのことを少々油断していたことにありました。
不出来な駒は2工程ほど戻して、盛上げ前の研磨からのやり直しです。
ということで、今日はその修復作業を少々。
そのほかは、これまで作りこんで完成近くになっていた複数組の最終研磨でした。
晴れの日には晴れの仕事。雨の日は雨の日に向いた仕事。
雨の日も、また楽し。
それが自然とともに生きて行く日頃の習慣と知恵でもありますね。
4月11日(日)、晴れ。
朝から春らしく青い空に白い雲の晴れ模様。
裏庭の山吹が、黄色い花をつけ始めました。
映像は、先日盛り上げた「古水無瀬」の裏文字。
まる一日経って、漆は一応固まりました。
表の文字は、これからです。
4月9日(金)、晴れ。
平年並みの陽気。漆の季節になりました。
ということで、今日は、盛上げに着手。
「古水無瀬」。その手始めに「と金」。
こんな感じですが、漆はまだ濡れています。
4月8日(木)、晴れのち小雨。
夕刻、珍しく福井の漆屋さんから電話。
「近くまで来ている。今からお尋ねしてよろしいか?」。
「ハイ、どうぞ。お待ちしています」。
ということで30分後、業界や漆の話が咲きました。
今回は2度目のご訪問。
確か、全国の35パーセントほどを扱っている漆屋さん。
駒づくりで使う漆は、ゴミみたいに微量なのですが、わざわざ訪問してもらったことに、感謝。
小一時間の話題は、漆や業界の四方山話。面白かったのは、その中の一つ。
「漆の業界や塗師やさんで、コロナにかかった人がいない。どうやら、漆はコロナに強いのではないか」という話。
「今、ある機関に調査を委託している」ということだそうです。
そうかもしれないな。
学術的にそれが証明されれば世間の話題で、業界は大いに潤う。
そう思いました。
今日の仕事は、昨日に引き続いての盛上げ前の精励研磨と、神楽太鼓枠の下地塗り。
何事もそうでしょうが、漆の場合は特に下地が大切なのですね。
これで、一日が終わりました。
では、また。
アッ、そうそう。
名人戦、斎藤挑戦者の先勝とのこと。