計画停電という無計画なものが中止になって
人の暮らしぶりにもようやく落ち着きがでてきた。
しかし、これも一時的なこと
いづれ不足するのは明らかである。
ならば節電をさらにおし進めてはどうだろうか。
せっかく国民がその気になったのだから
この機会に省エネ意識を高揚させ
節電の生活スタイルに作り変えていったらどうだろうか。
沖縄の米軍基地のように
もはや新しく原発を作ることは不可能だろう。
どの地域も受け入れてはくれない。
そうなれば当然、
現在の供給量だけでは慢性的電力不足に陥る。
そのたびに計画停電では日本の産業は崩壊してしまう。
代替エネルギーを見つけるか
無駄な電力消費を抑えるしかない。
近鉄奈良駅の改札口を出ると
眼の前は深い闇であった。
外灯がおぼろに点っているだけで
ぎらぎらしたネオンや看板がない。
ゆったりと時間が更けて
ほんとうの夜に出会ったような豊かな心地であった。
深い暗闇に抱かれてひとは信心深くなる。
謙虚で思索的にもなれる。
ぎらぎらした明かりの中では瞑想できない。
現代、優れた思想家や哲学者が現われないのは
夜が眩しすぎて霊感も想像力もひからびてしまうからだ。
夜はもっと暗くおぼろがいい・・・・・
よぎりしは座敷わらしか春の闇