「私がよく歌っていた愛の歌
歌詞のすべてを覚えていて
懐かしいメロデーが
今でも心地よく聞こえる
年月を消していくように
♪ シャ・ラ・ラ・ラ
♪ ウォウ・ウォウ・・・」
深夜、ラジオから流れてくる
Yesterday once more の歌。
独り耳を澄ましていると
歌の中に入り込んでいる自分を見つける。
青春・・・・
湘南の波のように眩しくきらめく日々。
三本立ての映画を見た後のように
せつなくわびしい日々。
ふりかえればペパーミントの香りがして
ほんの一瞬の出来事であった。
大学の同窓会の案内状が来る。
発起人の中の旧姓に
ほろにがい懐かしさを覚える。
とらつぐみ鳴くや麓の一軒家