花は咲くまでが愛おしいもので
いざ、咲いてしまうと
もう終わりのような気がして
急に寂しくなる。
これは我が儘というものだろうか。
ようやく夏水仙が咲いた。
長く真っ直ぐな茎のてっぺんで咲く桃色の気品。
夏水仙などと他の名前を借りずとも
ちゃんと独自の名前を与えられるべき孤高の花である。
約百年前に作られたという
ヴェネチアガラスのとんぼ玉をネットで見つけ
さっそく取り寄せる。
〈 看板に偽りなし 〉
深紅の連珠は期待を超えて艶やかに
ヴェネチアガラス特有の深い光彩を放っている。
高温注意報が出る中
汗垂らしながら熱々のトウモロコシをたべる。
一本は姫ロクサーヌの分。
よほど好きなのだろう、まだ熱いのに食べたがる。
(彼女たちは猫舌の筈だが・・・・)
西山の向うから雷鳴が近づいてくる。
ひと荒れきそうな雲行き。
稲びかり一瞬猫の眼と合ひぬ