顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

散歩道から…2017秋 ①

2017年10月17日 | 季節の花

お茶の花です。茶畑では、葉に栄養を行き渡らせるために花芽はすぐに摘み取ってしまうそうですが、香りもよく、さすがツバキ科、形も色合いも品があります。

アケビ(木通)の名は、実が熟して割れたさまが、人の「あくび」に似ているからとか、ぱっくり口をあけたように裂ける開け実から付いたとか言われていますが…。
蔓の部分には利尿作用があり、「木通」は小水が通じるからきているという説もあります。しっとりとした甘さとタネを吐き出す豪快さを少年時代に楽しみました。 

臭木の実です。葉に悪臭があるので名が付きましたが、花は甘い香りで、秋に赤い萼の真ん中にきれいな実がつきます。古くから「常山の実」といわれ媒染材を使わない青い色の染料として知られています。

ヤマイモ(山芋)は雌雄異株、雌花の実が右のハナタカメン、幼いころ鼻にくっつけて遊びました。雌雄関係なく葉の根元に出る球芽が左のムカゴ(零余子)、食用になりヤマイモの味がします。

イヌホオズキ(犬酸漿)の実です。ナス科の雑草、名の由来は否(いな)ホオズキで、ホオズキに似ているがホオズキでは無いという意味から。全草に毒があり、特に果実には麻酔毒のサポニンを含みます。

離れた場所で撮ったのがこの写真、こちらはアメリカイヌホオズキ??その区別は難しいとされています。

ヤクシソウ(薬師草)には、薬の神様薬師如来の名がついているので、万病の効能があったのかもしれませんが、乾燥した花をゴマ油に漬けて、腫れ物の患部に塗布するとしか出ていません。

刈込に茶の花にほふ十三夜  水原秋櫻子
しら雲のなごりて樺に通草垂る  飯田蛇笏
臭木の実手籠に摘める染物師  阿部月山子
さびしさに零余子飯炊く山家妻  山口青邨
※犬酸漿、薬師草は歳時記に載っていません
寂しさの中の賑やか薬師草  雅舟