顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

散歩道から…2017秋 ②

2017年10月20日 | 季節の花

一年中見られるホトケノザ(仏の座)はシソ科の多年草、葉が茎を包み込むように円座になっているのを仏の蓮華座に見立てた命名。春の七草のホトケノザは、キク科のタビラコ(田平子)のことで黄色い花が咲きます。

タンポポ(蒲公英)の綿毛、放射状に付いた種子は微風でも遠くに飛び、その距離はなんと10kmとか言われています。しかも花が終わった後にさらに茎が長く伸びて、種子を飛ばしやすくする仕組み…、多分これは、花期の長いセイヨウタンポポです。

道端のノギク(野菊)にはいろんな種類があり、名前を断定するのは難しいのですが、これはカンントウヨメナ(関東嫁菜)だと思います。

ミゾソバ(溝蕎麦)は金平糖のような小さな花を咲かせるタデ科の一年草、溝のような水辺に成育し、葉がソバに似ているからの命名。また、葉の形が牛の顔に似ているのでウシノヒタイともいわれます。

四つ葉を探すクローバーはマメ科、特有の旗弁のある花の集合体です。この枯れ草をオランダからやって来たギヤマン(ガラス器)の箱にクッション材として詰められていたということから、シロツメクサ(白詰草)ともいわれます。

ハマウド(浜独活)、アシタバ(明日葉)の区別ができなかった道端のセリ科の大きな植物、白い花が咲きましたが花の色では分からず、茎を切ってみたらアシタバの特徴とされる鮮やかな黄色い液が滲み出ました。

田んぼの畦を縁どるチカラシバ(力芝)、秋の長雨の一瞬の夕陽に輝く様は綺麗ですが、力を入れなければ抜けないという名前の通り、厄介な植物ではあります。別名は道芝。混じって出てる小さい穂はエノコログサ(狗尾草)、通称ネコジャラシです。

雑草と言ふ草あらず仏の座  宇咲冬男
去るものは去りてすつくと絮(わた)たんぽぽ  鷹羽狩行
どの家も貧しき村の野菊かな  田中青濤
夜あけ米とぐみぞそばの咲いてゐるところ  種田山頭火
クローバの花さはにゆれ茶屋の趾  山口青邨
芹よりも明日葉匂ひ売られけり  石塚友二
※力芝は我が歳時記には載っていません
立ち易り 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひにけり 万葉集 田辺福麿