ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

大きなターニングポイントとなりそうな年です。

2010年01月08日 06時21分35秒 | Weblog
先日、「新仕切り体系」の行方について触れてみたのですが早々に流通価格に変化が出ています。
業転価格のほうが系列価格を上回りそうな動きが出てきました。

しかし矛盾を感ずる必要は少しもありません。
石油製品が世界の消費動向や原油価格、そして末端市場価格に連動する「相場商品である」という事を前提にすればむしろ自然な動きであると考えるべきです。

原則的に相場商品なのですから、株価のように毎日細かく動くことを前提に考えておけば良いわけです。
販売業者にとっての今後の課題は、販売市況と仕入れポジションをリアルタイムに把握して経営に反映できる管理システム体制だと思います。
経営規模にかかわらず毎日決算ができるような管理体制の構築が必要となるはずです。

日本の石油流通ビジネスでは、いよいよ勘定系処理の既存販売管理システムだけでは追いつけないスピーディーな情報対応が必要な経営環境が発生してきたわけです。
情報とは言っても、自らの企業の収益体制や経営ポジションを知るための情報システムという事です。
まだまだ、この課題に気付いていないリテール石油販売業者が多いわけですから、淘汰はさらに加速するはずです。

魚屋でも、八百屋でも毎日変化する市場のセリで商品を仕入れて、毎日店頭価格を決めています。寿司屋でも同様です。
当然、自社の経営体質や販売力ににより企業ごとに仕入れポジションも変わるはずです。

本当に石油販売業者がそれぞれ仕入れ価格をリードできると考えるなら、企業規模を問わず「それなりの」経営ポジションと「立場」をみずから考えなおす時代だと思います。
今後は、淘汰される業者の断末魔の安売り競争に相乗りしないことです。

卸売業者の立場になれば、其々の企業の現在の販売力と今後の可能性を加味しながらの供給体制を組んでいくのは当然のことです。
企業としての優位性について「系列」か「PB」かについては色々な見解があるはずですが、今後の行方が明確に見えてくるような年になりそうです。

いまこそ、無責任な掲示板情報などに振り回されることなく、
このビジネスを基本から考え直す時代になりました。

元売りとしては、すでに一度は流通市場と連動させるための「新仕切り体系」をスタートさせたわけですが、正直なところ今後の価格設定メカニズムと現実の市場動向を無視することはできないはずです。
何より、販売企業の経営力に大きな「格差」がつきつつある現状も否定することもできないはずです。

今後、非系列の中小販売業者にとっては「経営力を問われる」厳しい経営環境が発生してくると考えるべきです。

石油ビジネスの大きなターニングポイントです。よく考えて、行動しましょう。