ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

「混乱なくできるのか」=ガソリン税率変動に懸念-石油業界

2010年01月19日 11時12分37秒 | Weblog
すでに御覧になった方も多いはずですが、揮発油税変動に関する直近記事の話題です。

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 ガソリン価格が1リットル=160円を超える高騰時に上乗せ税率(1リットル当たり約25円)の課税を一時停止する政府税制調査会の案に対し、
石油業界は「全国4万2000給油所で混乱なくできるか疑問」と、実際の制度運用に懸念を強めている。
 石油連盟の試算によると、手持ち在庫にも値下げが強いられた場合、
全国の元売り、給油所で最大計540億円の負担が発生する。

また、課税停止前に買い控え、復活前に買い急ぎが起こるのは、2008年春の暫定税率失効と1カ月後の復活で実証済み。石連は「反動で在庫切れになるなど安定供給に支障を来す」と、警戒する。

 このため、税調は在庫にも減税分を還付するなどして対応する方針だが、具体策はこれから。「制度や税率がしょっちゅう変わるのが一番困る。価格が変動する市況商品で可能なのか」(業界関係者)との声も上がっている。

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税調 ガソリン160円超で減税

 政府税制調査会(会長・菅直人財務相)は、18日の会合で、2010年度税制改正大綱で実質維持となったガソリン税などの暫定税率について、
ガソリン価格が一定水準を超えた場合に課税を停止する新しい仕組みを決めた。

レギュラーガソリンの小売価格が3カ月間、1リットル当たり160円を上回って推移した場合、約25円減税する。

2月上旬にも通常国会に提出される税制改正関連法案に盛り込む。

 政府は来年度から、現在1リットル当たり53.8円のガソリン税のうち暫定税率(25.1円)を形式的に廃止するが、新しい税制措置を導入して現行と同じ課税水準を維持することを決めていた。

 新しい課税措置では、ガソリン価格の高騰によって上乗せ分の約25円の課税が停止がされた後、3カ月間価格が130円を下回った場合は約25円の課税を再開する。課税の停止・解除はともに大臣が告示した翌月に実施する。

ガソリン価格は総務省が毎月公表している物価統計調査をもとに判断する。

 軽油引取税(地方税)の上乗せ分(1リットル当たり約17円)についても、課税停止など同様の措置を取り入れるほか、価格変動で影響を受けるガソリンスタンドなどに減税分の還付措置などを行い混乱を防ぐという。

 これら措置について、政府は2011年度以降に先送りされた地球温暖化対策税(環境税)の導入までとする方針。


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どう思われますか?
以前にも書いたように、石油に関する暫定税率問題はまだまだ流動的です。
課題も山積だと思うのですが、

在庫に関する、販売業者による税金負担回避の問題は当然ですが、

たとえば揮発油税法が流動的に変動するとしたら、
SS店頭POSシステムの税率設定などについてどう対応するのでしょうかね・・・・

すでに、税率変動に対応できるプログラム設定があればなんとかなりそうですが、
「TAXonTAX」となっている揮発油税の消費税部分が非課税となると、
システム的にも大変な混乱が発生する可能性が高いような気がしています。
ガソリンも軽油と同じ演算ルーティーンが要求される可能性が高いわけです。

系列下のSS・POSシステムのプログラム変更の負担は、今迄通り元売が負担するのでしょうか、
それとも、指定計算センターによる対応となるのか、リテール業者が負う事になるのか、
かなり、複雑な問題となりそうです。
以前、この問題について、元売担当者や系列計算センターのスタッフと論議したことがありました。

あなたの会社のPOSシステムではすでに対応可能ですか?

いままでも、批判の対象とされてきたガソリンのダブル課税ですから、
税制変動の際には、国民から問題提起される可能性が高いはずです。

リテール業者にとっては迷惑で困った問題となりそうです。
いまさら、現金売りなどを電卓で処理するわけにもいきませんね、
セルフなどでは「待ったなし」の対応となるはずです。

それよりなにより、変動に応じてどのように対応するのかも考慮しなくてはなりません。
下がったり、上がったりするガソリン価格に応じて課税方法が変わるという事は、当然その都度の対応が必要となるわけです。

PB系業者などは個別的対応となるはずですから、深刻な事態が発生するかも知れません。

当社の直売システム「ペトロマスターEX」ではすでにその事態を想定してのプログラム対応を完了していますから、ご安心ください。
特に、問題となる「油種別・施設別在庫管理」についても、ご承知の通りリアルタイム管理が可能ですから、楽に対応できるはずです。

石油流通専用ソリューションとしての「プロ機能」について、
こんな時こそシステムパワーをフルに発揮できるというわけです。
元売でも大手商社でも運用されている実績ある石油専用ソリューションが力を発揮する時が迫ってきそうです。

今年は、政界も石油業界も激動ですね。
ピンチをチャンスに変える!、お客様企業と一緒に、一生懸命頑張ります。

事前対応を想定してのご質問などございましたら、お気軽に声を掛けてください。

まさに、『お客様の喜びが、我が喜び』の精神で対応させていただきます。

気を引き締める年になりそうです。

2010年01月19日 10時33分52秒 | Weblog
あらためて申し上げますが、
本年は、石油ビジネスの経営環境が大きく変わりそうです。
今迄、何年も言われてきた業界の変化の話題が今年あたりからいよいよ具現化してきます。

系列による流通再編とリテール販売業界の動向について改めて考え直す年となりそうですが、
現実はすでにスタートしており、変化のスピードも今迄とは違います。

ハッキリ言えば、特に中小の非系列企業にとって厳しい状況となりそうな予感です。

直販(業転)玉はかなりタイトになるはずです。

系列下の特約店レベルでもシビアな「油種別・数量枠管理」が必要となります。
計画的な販売計画による利益確保が必要となりますから、油断のない流通管理体制の構築が求められています。

今迄のように「勘定系データ処理」だけでは、意思決定速度が遅れてしまい、
ビジネスの速度に対応できずビジネスチャンスを逸してしまう事になりますから、要注意。

特に、SS店頭以外の直売部門ではリアルタイムな仕入れ価格のポジション把握などがポイントとなりそうです。
適正な値取りに遅れると命取りになる可能性もあります。

社内における経営管理部門の業務スキルの差が経営格差となります。
スタッフの資質の課題も表面化するはずです。
経営者自身の経営力や知識なども問われるはずです。

人のことを言っている場合ではありません。
私自身も資質が問われています。身が締まる年になりそうです。