秋葉原通り魔殺人事件を起こした加藤容疑者も、江東女性不明事件の星島容疑者も派遣社員だった。しかも、学生時代成績優秀だった派遣社員男性であるという共通点に引っかかりを感じていた時、偶然本屋でみた「若者は なぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の将来」という題に惹かれて、この本を読んだ。
政治でも、経営でも、労組ですら50歳以上の人間が中心に進めた「雇用の確保」で、彼らの世代が一番の被害者となってしまっていたことが、この本には明確に解き明かされている。
1980年代までは、経済が成長を続けていたので維持された年功序列体系だったが、成長が翳って矛盾をきたしたこと。しかし、それに抜本的に解決を考えることを避けて、既得権をもった人々が「新規採用の手控え」、「非正規雇用」で切り抜けたこと。まさに、上記の2人の派遣社員は、この時代に就職できず、派遣で働いていたことになる。
一方、しぼりこまれた中でせっかく正社員になれた勝ち組と思われる若者ですら、就職戦線ではきびしく専門性を問われながら、いざ就職すれば既得権で相変わらず中高年者に厚い給料体系、裁量権限の少ない仕事で、若年正社員の少ない職場で仕事量だけは多く、日々仕事に追われ、将来年功序列で給料が上がる保証もないので将来への夢も抱けず 3年も我慢すればもう会社にいられないものが辞めていく現実があげられている。
最後6章の将来を考えるための「働く理由を取り戻す」では情緒に流れて結論として疑問を感じたが、この本の5章までを読んで、より多くの人が、今の若年労働者の問題を真剣に取り組んでいく必要を感じた。
この世代の子どもを持つ親、またこれから就職する子どもを持つ人には、是非一読をオススメする。
政治でも、経営でも、労組ですら50歳以上の人間が中心に進めた「雇用の確保」で、彼らの世代が一番の被害者となってしまっていたことが、この本には明確に解き明かされている。
1980年代までは、経済が成長を続けていたので維持された年功序列体系だったが、成長が翳って矛盾をきたしたこと。しかし、それに抜本的に解決を考えることを避けて、既得権をもった人々が「新規採用の手控え」、「非正規雇用」で切り抜けたこと。まさに、上記の2人の派遣社員は、この時代に就職できず、派遣で働いていたことになる。
一方、しぼりこまれた中でせっかく正社員になれた勝ち組と思われる若者ですら、就職戦線ではきびしく専門性を問われながら、いざ就職すれば既得権で相変わらず中高年者に厚い給料体系、裁量権限の少ない仕事で、若年正社員の少ない職場で仕事量だけは多く、日々仕事に追われ、将来年功序列で給料が上がる保証もないので将来への夢も抱けず 3年も我慢すればもう会社にいられないものが辞めていく現実があげられている。
最後6章の将来を考えるための「働く理由を取り戻す」では情緒に流れて結論として疑問を感じたが、この本の5章までを読んで、より多くの人が、今の若年労働者の問題を真剣に取り組んでいく必要を感じた。
この世代の子どもを持つ親、またこれから就職する子どもを持つ人には、是非一読をオススメする。