さあ、正式に古巣マリナーズに返り咲きが決まったイチロー。大リーグでプレーを続けられる喜びは、本人にとってもファンにとっても胸に迫るものがあった。だが、会見では、記者に目がうるんでいるのでは?と問われ、「こういう会見の場合、目が潤んでいることがメディアにとっては大好きみたいですけど、おそらく目が潤んでいるように見えるとしたら、時差ボケの影響かと思います」と答えたイチロー。
その会見の様子は、スポーツナビのココから確認して頂くとして、やはり彼の気持ちを1番現していたのは、「2012年7月にシアトルにサヨナラを告げてその後、ニューヨーク、マイアミと5年半が過ぎたんですけど、その間も僕の家はシアトルにあって、ニューヨークから家に帰る時も必ずシアトルの景色を見ながら家に帰る……マイアミからもそうでした。いずれまたこのユニホームを着てプレーしたいという気持ちが、僕のどこかに常にあったんですけど、それを自分から表現することはできませんでした」というところだろう。
2001年から2012年、歴史に残る記録を残したマリナーズを去るに当たって、いろいろあったにせよ「結果的には1番勝ってないチームから、1番勝っているチームに行くということになるので、テンションの上げ方をどうしようかなと思います」と言った彼のコメントがきっとヤンキースに自分から移籍を希望した1番の理由だっただろう。でも、ヤンキースに移籍してから、最善を尽くして、苦労も重ねながら、結局なかなか勝利の女神には恵まれず、ワールドシリーズへの道を見いだせず、バッターボックスに立つ機会が555、385、438、365、そして去年は215打席と、ベンチで控えるつらさを味わった。
そんなイチローが、どんな思いで帰宅する時に、自分の華々しい時代を築いたセイフコフィールドを見つめたのか。自分から出た身としては、自分からは言い出すことはできなかった。”WELLCOME HOME” お帰りと本当にマリナーズファンに受け入れてもらえるためには、「今、マリナーズが必要としていること、そこに力になれるのであればなんでもやりたい。そういう気持ちですね。僕が今まで培ってきたすべてをこのチームにささげたい、そういう覚悟です」という彼の心に偽りは微塵もない。
実は、日刊ゲンダイでは「出戻りのベテランを待ち受ける意趣返しがあるだろう」と予測する記事を流している(ココから)。その最後に書かれているように、期待に応えられなければ、故障者が復帰してきた時またベンチを温めなければならない時を迎えることになるかもしれない。それを1番よく分かっているのもイチローだ。
古巣でのシーズンを迎えるイチローに、月を見てツキパワーを送る日本のファンも楽観ムードではなく、一緒に戦うような気持なのだ。だから、ここはしっかり 29日の本戦開始までにツキパワーを貯めておきたいところなのだが・・・う~ん、今日は天気が悪くてお月様も顔を出してくれそうにない。
お月様、今シーズンもよろしくお願いします!!!