日々の出来事や思ったこと、趣味やペットのことなどを書き流す自己満足ノートです。
家事の合間に。。。



去年八ヶ岳方面にも夜行バスが行くようになったことを知り、是非一度利用してみたいと思っていた。
台風が日本海を通過中だったので、本当なら日曜日に行くほうがよいのだが、残念ながら八ヶ岳への夜行バスは金曜日のみの出発。
台風通過後の予報も芳しくなかったが、一縷の望みを持って出掛けた。
が、やはり甘かった・・・。

南アルプス登山口、八ヶ岳美濃戸口に寄り、終着麦草峠に着いたのは6時半。
覚悟はしていたが途中から雨になり、バスの中で雨具の用意をする。
幸い、峠の駐車場に着いた時には雨は降っておらず。しかしガスで辺りは何も見えない。

麦草峠までの乗客は私と単独男性の二人だけ・・・。
この人は2泊3日で編笠山まで縦走すると言う。
トイレを済ませ、ひとあしお先にと出発する。5分もしないうちにどうせ抜かされるだろう。

麦草ヒュッテの前まで来るとヒュッテの女の人が掃除をしていた。
このお天気ではゆっくり朝食も摂れないだろうとバスの中でパンを頬張ったが、もしできればここで何か食べさせてもらいたい。
そう思って声をかけると「いいですよ~。」と快い返事。
温かいおでんをいただく。
いろいろ話すうち、去年からバスが来るようになってヒュッテの方でも登山客を迎える準備をしていたらしいことがわかる。
ここまで来たのが二人だけだったと言ったら、ちょっとガッカリしていたようだった。

こちらからの入山が二人だけというのは、私も心細い。
私がここで食べている間に、男の人はとっくに行ってしまっただろう。
ましてこのお天気。カミナリでも鳴ったら・・・。
「稜線はものすごい風だから、無理をなさらずに・・・」と声をかけられ、出発する。

登山口。何も見えない・・・。



北八ヶ岳独特の苔むして欝蒼とした樹林帯を登る。
こんな道を後にも先にも誰もいない私一人だけ、と思うと、歩くのも嫌気がさしてくる。
とにかく行かれる所まで行ってみよう。
八ヶ岳はあちこちに逃げ道があり、(いつでも下山できる)と思うと余計気持ちが萎えてくる。





1時間ほどで丸山到着。祠がある。
思わず道中の無事を祈る。
神頼みして少しは心が軽くなった。
もう少し歩けば白駒池に下りる道もある。小屋もある。どうするか?その時にまた考えよう。

白駒峠にある高見石小屋のトイレを借り、どうしようかまだ迷っていると小屋の人が出てきた。
人の気配で出てきてくれたのだろう。
カミナリはどうでしょうか?と聞くと
「注意報は出ていないけどね~。でもここでこれだけの風だから稜線に出たらもっとすごいよ。」と言う。
無理しないで行ってみます、とお礼を言い先に進む。

高見石小屋

時折空が明るくなって少し元気が出る。
チッチッと元気な鳥の鳴き声にも勇気づけられる。ホーホケキョとウグイスもいるが姿は見えない。
一時間ほど急なジグザグの登りをこなすと、あとはアップダウンの少ない道。
しかし樹林帯では花も少なく、ちょっとガッカリ。

   ごぜんたちばな                こけもも

 
   ばいけいそう                 よつばしおがま

途中でご夫婦連れに出会う。稜線ではものすごい風だったと言う。

中山峠からの登りは木の根や大きな岩がごろごろして濡れて滑りやすい。
樹林帯では風が避けられるがいよいよもろに風に吹かれるようになる。




いつも同じ方向から風を受けているらしく、木の枝が一方方向に変形していた。

20分ほど登ってみたが、吹きっ晒しで寒くなり、これから往復1時間以上吹かれて体調を崩したりしたら・・・。
以前寒さを我慢して具合が悪くなったことがある。
ガスで何も見えないし、それより早く下って温泉に入って帰ろう。
迷ったが下ることに決める。
ちょうど登ってきたご夫婦連れも、やはり引き返して行った。

黒ユリヒュッテで休憩。
10人ほどのグループや家族連れもいて賑やかだった。
やはりある程度人がいたほうがいい。
黒ユリヒュッテは驚いたことに水洗トイレ。使用料は200円だった。
これまでの山小屋での一番高いトイレだ。
しかし維持管理を考えればこのぐらいは仕方ないのだろう。
いくら取られたって山の中でトイレがあり使わせてもらえることが有難い。

   
    いわおとぎり?                こばのいちやくそう

土曜日ということで、渋の湯から登って来る人と時々行き交う。

バスが来るまでの間、温泉に入りさっぱりと汗を流し帰路に着いた。
ガスと強風で天狗岳登頂ならず残念だったが、雨に降られなかっただけよしとしよう。


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