第一に『眠れない』ことです。
山小屋は9時消灯ですが、疲れもあってその前にうとうとすることがあり、そのことがいざ寝ようとする時に中々眠りに着けない原因にもなっています。
一晩中時計を気にしていたことも何度もあります。周りの人の寝息やいびきがすごく気になります。
早く寝なければ明日に響くと思う焦りの気持が、余計眠れなくさせます。
寝られなくても何とか山歩きをこなしてきましたが、4~5年前、ひどい目にあったことがありました。
南岳小屋に泊った時、混んでいたこともあって全く寝られず、それどころか夜中でも心臓はバクバク(心拍数100ぐらいあった)するし、明け方には頭痛もひどくなり起きたら今度は吐き気もある。食事もほとんどとれず頭痛薬を飲んで頭痛は治まったが、歩き始めても10歩歩いて一休み状態でした。
この時は槍ヶ岳に縦走したのですが、途中で何気なく大きく深呼吸したらすごく楽になったのです。次の日殺生ヒュッテで泊った時にもやはり頭痛と吐き気がありましたが、下山したら治っていました。
結局、疲れと睡眠不足と空気の薄さが原因だったのでしょう。
この時のつらい体験から、今回標高3千Mの小屋で泊ることに少し不安がありました。
単独で体調不良になったらどうしよう。
実はこの前ゴールデンウィークに燕岳に行った時も寒さを我慢して危うく風邪をひきそうになりかけたのです。
中高年の遭難が問題になっていますが、病気が原因の遭難(?)もけっこう多いのです。
そこで今回、小屋での睡眠不足解消に『睡眠導入剤』を使ったらどうか?
ちゃんと寝られれば疲れも取れるだろう。体調も整うだろう。
そう安易に考えました。
かかりつけの内科の先生に事情を説明して、軽いお薬を出してもらいました。
偶然にも薬剤師さんは「西穂~奥穂」をやって帰ってきたばかりと言い、いろいろアドバイスとこのお薬を使っても問題ないというお墨付きももらいました。
そして実際、涸沢ヒュッテで使ってみました。
利きましたよ~!
いつの間にか寝てました。そしてパッと目が覚めたのは4時でした。
爽やかに目覚めました。
山小屋でこんなのは初めて~。
二日目の穂高岳山荘。標高は高いし、昨夜寝られたから使わないつもりだった。
しかし何だか目が冴えて寝られない。で、使ってみました。
でも前の晩のようにバッチリとは利きませんでした。度々目が覚めましたから。おまけに明け方うっすら頭痛。(起きて間もなく治まった。)
これじゃあ使わなくても同じ・・・。
しかし、今回の経験でこれは良い(薬の使用)、と思ったのです。
ところが・・・。
昨日、NHKの生活ほっとモーニング で・・・。
「高山病の対処法」として、「酒や睡眠薬を飲んで寝ない」。
標高の高い所で薬などの助けで、強引に深く眠ろうとすると、脳に酸素がいきわたりにくくなり、脳こうそくなどを誘発する恐れもある、とのこと!
そもそも、標高の高い場所では、眠りが浅くなり眠れないことが多くなるのは当たり前ということらしい。
そして眠っている間に目を覚ましてしまうのは、酸素が不足しているから深呼吸をしなさい、という危険信号なのだということです。
安易に薬に頼ったことを反省。
しかし、先生も出してくれたんだけどねぇ・・・。ホントに軽く一錠の半分にして出してくれました。この程度なら大丈夫ということなのでしょう。
これからもし使う時は、夜行バスとか平地で寝付けない時にしよう。
今回、歩いている時に度々深呼吸をしました。これってかなり効き目があるみたい。
ハァハァしながら登るのは相変わらずですが、槍ヶ岳の時のようなあの苦しさは無かった。
どっちにしても、もう無理の利かない年になっているということ。
遭難回避のためにもゆとりのある登山が大事です。
山小屋で困ること。
第二は・・・そのうち又・・・。
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