かねてから思っていたことだが、所謂「松坂世代」イコール「NOMO世代」である、と。野茂英雄(当時ロサンジェルス・ドジャース)がメジャーリーグに雄飛した1995年に、中学3年生だった野球少年達が、海の向こうに渡って、世界を相手に戦う野茂のピッチングを見て「憧れた」。その憧れ方は半端じゃなかった、と思う。当時のバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)やサミー・ソーサ(当時シカゴ・カブス)あるいは、マーク・マグワイア(セントルイス・カーディナルス)に立ち向かう野茂の姿は、今までの野球少年達の価値観を根底から覆した、と思う。
野球を続けること、甲子園を目指すこと、その先の頂点は「プロ野球」しかなかったのに、メジャーリーグという舞台、世界最高峰を知ってしまった世代。「NOMO」の直撃を食らった少年達のモチヴェーションはガンガンに高まっただろう。日々の練習にも一層、身が入ったことだろう。当時の野球少年達……松坂大輔(西武ライオンズ)も、(先発)杉山直久も(中継ぎ)藤川球児も(抑え)久保田智之も……少年達は「夢」を見た。
その松坂から先制のホームランを放ったのは、桧山進次郎。前日、地元・西京極で最後の打者になって悔しい思いをした男は、この第1打席に懸けていたのだろう。前の5番・今岡誠が変化球攻めされていたので、初球の真っ直ぐを狙い打ち。3塁ベースを回りながら、口を真一文字に結んで、昨日の記憶を呼び覚ましていたのかもしれない。「NOMO」に憧れた松坂から、かつて「掛布雅之」に憧れた少年だった、桧山が打ったホームラン。桧山は試合後のインタヴューで「思い出を作りたかった」と……。
野球を続けること、甲子園を目指すこと、その先の頂点は「プロ野球」しかなかったのに、メジャーリーグという舞台、世界最高峰を知ってしまった世代。「NOMO」の直撃を食らった少年達のモチヴェーションはガンガンに高まっただろう。日々の練習にも一層、身が入ったことだろう。当時の野球少年達……松坂大輔(西武ライオンズ)も、(先発)杉山直久も(中継ぎ)藤川球児も(抑え)久保田智之も……少年達は「夢」を見た。
その松坂から先制のホームランを放ったのは、桧山進次郎。前日、地元・西京極で最後の打者になって悔しい思いをした男は、この第1打席に懸けていたのだろう。前の5番・今岡誠が変化球攻めされていたので、初球の真っ直ぐを狙い打ち。3塁ベースを回りながら、口を真一文字に結んで、昨日の記憶を呼び覚ましていたのかもしれない。「NOMO」に憧れた松坂から、かつて「掛布雅之」に憧れた少年だった、桧山が打ったホームラン。桧山は試合後のインタヴューで「思い出を作りたかった」と……。