活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

長崎原爆忌の日に

2011-08-11 12:23:15 | 活版印刷のふるさと紀行
 長崎に原爆が落とされてから66年目の記念日、テレビの式典に見入っていて、
ふっと、同じ長崎でキリスト教禁教のために弾圧され、殉教して行った人のこと
を思い浮かべました。

 実は私は日本の活版印刷の誕生を調べるために、長崎各地を歩き回るまで長崎
のキリシタン弾圧についてあまりにも知りませんでした。。
 取材先にうかがってその話が出るたびに恥ずかしい思いをしました。その最た
る思い出は小著「活版印刷紀行」で披露しましたが、口之津の歴史民俗資料館に
白石正秀館長を訪ねたときでした。


 口之津は天正遣欧少年使節一行が8年半ぶりに帰国して、ドラードが中心にな
って日本最初の印刷所を開いた加津佐のすぐ隣りです。
 私は「この資料館になにかキリシタン版ゆかりの品はありませんか」といまは
亡き白石館長にたずねました。
 
 「ここは全村民こぞって島原の乱に参加、全員殺されたところですよ」島原の
乱以後にあたらしい住民によって村づくりがはじまったところに、ゆかりの品な
どあろうはずがありません。

 写真は島原の乱よりも16年も前、イエズス会、フランシスコ会、ドミニコ会
の司祭や修道士が火あぶりにされている様子で、その下には一般のキリシタンた
ちが首を斬られている『元和8年、長崎大殉教図』で現場を見た日本人キリシタ
ンがマカオに逃れて描いた絵でローマのジェス教会にあります。
コメント
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