活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

電子書籍のこと 2

2011-08-28 11:56:32 | 活版印刷のふるさと紀行
 DNP,大日本印刷の北島義俊社長の意見はこうでした。
《ニューメディアに対して私は従来の紙への印刷を伝統的メディアあ
るいは基本的メディアと呼ぶべきだと思う。
 ベーシックメディアとニューメディアは対立、競合するメディアで
はなく、印刷情報のもつ高品質性、経済性、利便性、一般性、広域性
などと、ニューメディアのもつ即時性、双方向性とはお互いに、代替、
補完、相乗という3つの機能を持つ》

 《だから、われわれ印刷会社は長く携わってきた情報処理技術、情
報加工技術をデジタル化やエレクトロニクス化に活かして世の中に貢
献していくべきだ》というのでした。
 その後香港での世界印刷会議やNHKテレビの経営番組でも繰り返
して述べられましたが、最近、大日本印刷が丸善やNTTドコモとハ
イブリッド型書店サービスとしてhontoを立ち上げたのもその延長線で
ありましょう。
  
 凸版印刷も電子出版を取り扱うデジタルコンテンツソリューション
センターを立ち上げています。両社に限らずこの7月の東京国際ブック
フェアや国際電子出版EXPOで印刷各社のデジタルコンテンツビジネ
スへの積極的な取り組みにいまさらながら驚かされました。

 私は実際にタブレット端末を使ってみて、その可読性の豊かさには
感心しています。まだ、キンドルは試していませんが。
 それにしても、北島社長の代替・補完・相乗という控え目な狙いから
30年経った今日、印刷技術がどの程度ネットやデジタルの世界に踏み
込めるのか出版社や多領域のクライアントとのビジネス領域をどうする
のか、下手をすると印刷会社がふたたび、フォントの提供、開発やアプ
リ加工やインストール処理のような下請け、あるいは中間業務引き受け
の「黒子」にさせられてしまいそうな不安を拭いさるわけにいきません。

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電子書籍のこと 1

2011-08-28 05:34:23 | 活版印刷のふるさと紀行
 8月最後の残暑の日曜日です。
 昨晩は隅田川花火の日でしたが、例年より盛り上がりがいささか足りなか
ったような気がしました。
 もっとも春海橋という遠くから眺めているだけですから、上空を飛び回っ
ているヘリコプターの方が気になりました。しかし、大会特有の花火の音と色、
(匂いは無理ですが)あの、空気感だけは伝わってきました。

 このところipad2にハマっています。
 とはいうものの、その機能の十分の一も享受しているわけではありません。
電子書籍実体験が目的ですし、正直、「操縦自由」といかないのです。

 それにしても紙の印刷が縮小カーブを切りはじめたのが1996年でしたか
らやがて15年になります。
「なにが電子書籍元年だ」と反発を感じながらiPhoneやiPadのような高機能端
末の出現、普及を見ると「印刷よ何処へ行く」とだんだん気がかりにならざる
を得ません。

 あれは、1984年でした。イタリアのベネッツアで開催されたコンプリント
国際会議で大日本印刷の北島義俊社長が印刷とこれから台頭してくるであろう新
しいメディアについて論じたことがありました。
 かれこれ20年前になりますが、当時の予測としてはかなり大胆な発言でした
が私はよく今日を想定していた意見だったと思います。その内容については次回
、記憶している範囲でご紹介しましょう。

 隅田川花火を見終わって帰宅したらBSで秋田大曲から花火の全国大会を中継
していました。こちらはカブりつきです。
思わず「花火大会の電子版か」とひとりごと。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする