市川森一さんの『幻日』は島原の乱が舞台で、天草四郎時貞が主人公として
登場します。その天草四郎が千々石ミゲルの息子という設定になっていると聞
いた以上、『千々石ミゲル』を書いている私としては読まないわけにはいきません。
そうはいっても、意外に読み進むのがこわいのです。
四郎ミゲルの子息説は、初見ではありません。いままで何度も参考文献の上で
目にしました。おそらくイエズス会の宣教師のヨタ話でありましょう。
それを作家であり、脚本家であられる市川森一さんがどのように料理されてい
るかは興味ぶかいのですが、ちょうど有段者の前に引っ張り出されて恐る恐る
竹刀を構えたときのように、踏み込むことがこわいのでありました。
ですから遠回りします。
島原の乱の原城には何度も足を運びました。といっても最後が神田川大曲塾の
島原・天草研修旅行でしたからかれこれ五年ほど前までしょうか。原城の崩れた
石垣の向こうに島原湾がひろがっていて、うしろは雲仙岳、この今はのどかな地で
血で血を洗う壮絶な戦いが一揆軍と幕府軍との間で交わされたとはにわかに信じ
がたい気がしました。
写真は本丸の櫓台跡だといいますが、1992年からの発掘調査で人骨や鉛弾
で作った十字架や一揆軍のなかにいたキリシタンのメダイ・ロザリオも出てきて
おります。
登場します。その天草四郎が千々石ミゲルの息子という設定になっていると聞
いた以上、『千々石ミゲル』を書いている私としては読まないわけにはいきません。
そうはいっても、意外に読み進むのがこわいのです。
四郎ミゲルの子息説は、初見ではありません。いままで何度も参考文献の上で
目にしました。おそらくイエズス会の宣教師のヨタ話でありましょう。
それを作家であり、脚本家であられる市川森一さんがどのように料理されてい
るかは興味ぶかいのですが、ちょうど有段者の前に引っ張り出されて恐る恐る
竹刀を構えたときのように、踏み込むことがこわいのでありました。
ですから遠回りします。
島原の乱の原城には何度も足を運びました。といっても最後が神田川大曲塾の
島原・天草研修旅行でしたからかれこれ五年ほど前までしょうか。原城の崩れた
石垣の向こうに島原湾がひろがっていて、うしろは雲仙岳、この今はのどかな地で
血で血を洗う壮絶な戦いが一揆軍と幕府軍との間で交わされたとはにわかに信じ
がたい気がしました。
写真は本丸の櫓台跡だといいますが、1992年からの発掘調査で人骨や鉛弾
で作った十字架や一揆軍のなかにいたキリシタンのメダイ・ロザリオも出てきて
おります。