鉄道省 京都駅発行 名古屋ゆき片道乗車券

国鉄がまだ鉄道省であったころ、いまから97年前にあたる大正10(1921)年7月31日に京都駅で発行されたと思われる名古屋ゆきの片道乗車券です。


   


桃色GIRてつだうゐん地紋のA型大人・小児用券で、小児断線がX型の官公断線となっている時代の様式です。

小児断線がX型となっているのが大正時代の券の特徴で、戦意昴揚ムードで軍や官吏の力が増大し、官職割引制度があたりまえの時代で、小児用として発券する際には断片を左上から右下に切断しますが、官職割引券として発券する際には断片を右上から左下に切断しました。印刷が薄いですが、断線の右下に「小」の文字があるのに対し、右上に「官」の文字があります。


この様式は大正8年に制定された右書き表記から左書き表記に変更されたころのもので、発駅表示には「京都ヨリ」とカタカナが使用され、着駅は「名古屋」としか表記されていません。
三等車用で途中下車は現在のように何回でもできたわけではなく、2回と回数制限があります。
運賃は「金錢」(2円20銭)で、さらに通行税として「金錢」(2銭)が合算された2円22銭ということになります。


   


地紋を拡大してみました。
発行されたのは大正9年5月15日の「鉄道省官制」(勅令140号)に基づいて鉄道院が鉄道省に改組された以後の時代となりますが、地紋や「GIRてつだうしやう(てつどうしょう)」ではなく「GIRてつだうゐん(てつどういん)」となっており、国鉄がJRとなった時同様、過渡期に旧地紋の券紙が流用されたものと思われます。(当初はGIRてつだうしやう地紋となり、GJRてつだうしやう地紋となったのは後年。)

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その7

今回も道南いさりび鉄道の前回エントリーの続きです。長々と続けておりましたが、今回で最終回となります。どうぞお付き合いください。


前回は釜谷駅および泉沢駅分を御紹介いたしましたので、最後は札苅駅および木古内駅分を御紹介いたしましょう。


   


札苅駅分は泉沢駅ゆきの券になります。こちらも他の券同様、黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券になります。


   


木古内駅分は札苅ゆきの券になります。やはりこちらも他の券同様、黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券になります。


今回の記念乗車券にセットされている券は以上になります。
有人駅および無人駅問わず、見た目全駅分があるように見えますが、以前に申し上げました通り、起点である五稜郭駅分についてはJR北海道との共同使用駅、かつJR北海道の管理駅であるためか、今回のセットには入れられておりません。しかし、社員配置駅であるものの輸送社員のみ配置のため出札・改札業務などは行なっていない木古内駅は、JR北海道の海峡線には定期旅客列車の運行はなく、貨物列車と団体臨時列車のみの運行となっているためかセットに入れられています。そして、なぜか東久根別駅分が2枚セットされた11駅(12枚)セットになっております。

私はあまりこのような記念乗車券や入場券の類には手を出さないのですが、このセットは様式こそひとつしかありませんが、かつての札幌交通印刷の様式を踏襲した「道産子」乗車券であり、また、同社には硬券乗車券が通常発売されていないこともあり購入した次第です。

7回に亘り御紹介させていただきましたが、いままでお付き合い下さいましてありがとうございました。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その6

道南いさりび鉄道ネタの続きです。前回エントリーで茂辺地駅および渡島当別駅分を御紹介いたしましたので、今回は釜谷駅および泉沢駅分になります。


   


釡谷駅分の乗車券になります。他駅分同様、黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・専用券になります。


   


泉沢駅分の乗車券です。様式といたしましては釜谷駅分同様、黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・専用券になります。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その5

道南いさりび鉄道ネタの続きです。前回エントリーでは清川口駅および上磯駅分を御紹介いたしましたので、今回は茂辺地駅および渡島当別駅分になります。

   


茂辺地から上磯ゆきのB型一般式大人・小児用券で、やはり黄色道南いさりび鉄道自社地紋券です。

   


茂辺地から上磯ゆきのB型一般式大人・小児用券で、やはり黄色道南いさりび鉄道自社地紋券です。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その4

前回エントリーで道南いさりび鉄道で発行された開業記念乗車券セットのうちから東久根別駅からの券を御紹介いたしましたので、今回は清川口駅および上磯駅分を御紹介いたしましょう。

   


まずは清川口駅分で久根別ゆきのB型一般式大人・小児用券で、やはり黄色道南いさりび鉄道自社地紋になります。


   


こちらは上磯駅分で、清川口ゆきのB型一般式大人・小児用券で、様式はすべて同一になります。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その3

前回エントリーで道南いさりび鉄道で発行された開業記念乗車券セットのうちから七重浜駅からの券を御紹介いたしましたので、今回は東久根別駅分を御紹介いたしましょう。

   


東久根別駅から七重浜ゆきの片道乗車券です。様式は七重浜駅のものと同一で、黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券となります。

   


今回のセットは各駅からの硬券乗車券セットではありますが、なぜか同駅分のみは反対側方面の釜谷ゆきの券もセットに入っており、2種類の券が存在します。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その2

前回エントリーの道南いさりび鉄道で発行された開業記念乗車券セットの話題の続きです。

このセットは前回エントリーで御紹介いたしましたように、台紙に12枚の硬券乗車券がセットされております。見た目全駅分があるように見えますが、起点である五稜郭駅はJR北海道との共同使用駅ですがJR北海道の管理駅であるためか、今回のセットには入れられておりません。しかし、社員配置駅であるものの輸送社員のみ配置のため出札・改札業務などは行わない木古内駅は、JR北海道の海峡線には定期旅客列車の運行はなく、貨物列車と団体臨時列車のみの運行となっているためかセットに入れられています。そして、なぜか東久根別駅分が2枚セットされています。

それでは
本日から順番にそれぞれの券を御紹介致したいと思います。
まずは七重浜駅分です。


   


七重浜から清川口ゆきの片道乗車券です。
黄色道南いさりび鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、印刷場は不明ですが、かつて国鉄札幌印刷場の出身者が起こした札幌交通印刷で調製されたような様式になっています。印刷の雰囲気から関東交通印刷のもののような感じがします。
運賃のゴシック体の活字が札幌交通印刷券とは異なっておりますが、社名・発駅・着駅・下車前途無効・運賃・発行駅だけのデザインとなっており、いかにも北海道の硬券乗車券らしい雰囲気で良い味出しています。

発行箇所名は「道南いさりび鉄道本社」となっており、これは各駅分共通のようです。


   

裏面です。
表面が通常の乗車券のようになっておりますため、前売の記念乗車券に必要な有効期限についての文言は裏面に印刷されています。

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道南いさりび鉄道 開業記念乗車券セット ~その1

平成28年3月に開業した道南いさりび鉄道が発行した、開業記念乗車券セットです。



   


これは乗車券がセットされている台紙で、海岸沿い風景の写真が大きく印刷されたデザインとなっており、鉄道会社が発行する開業記念乗車券の表紙として車両をメインとしないここまで徹底したデザインは、管理人としては画期的なものと思います。



   


裏面を見ますと、下のように売上を確認する券番の見える窓が付いています。
やはり裏面にも車両の写真は無く、同社ロゴマークの選定経緯が記載されているだけです。

それでは中を見てみましょう。


   


開いてみますと10枚の硬券乗車券がつけられており、隅っこにやっと車両の写真が見えますが、やはりメインは海岸沿いの風景写真です。しかも、通行している自動車の位置からして撮影された時期は異なると推測されますが、デザインは同じ写真です。


   (会社概要)   旅客列車と車窓のご紹介


台紙の両端部分を拡大してみました。左側には会社概要が、右側にはJR時代の写真が3枚と「旅客列車と車窓のご紹介」という文章があります。「写真はいず(づ)れも開業前のものです。」という注意書きの通りJR時代の写真で、現在在籍している車両のすべてがJR北海道からの移籍車であり、開業時にはオリジナル塗装の車両が準備できていなかったことが原因のようにも思えますが、今後登場する自社カラーの車両についての言及が一切ないというのも面白い内容です。


この独特な開業記念乗車券を出す会社、今後何か面白いことを仕出かしてくれる予感がしましたが、観光列車「ながまれ号」や国鉄時代の復刻キハ40など、やはり面白い企画をやってくれる会社になっています。


それでは、次回エントリーから硬券を仔細に御紹介致しましょう。

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東武鉄道 五反野駅発行 北千住接続営団線50円区間ゆき連絡片道乗車券

昭和46年11月に、東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)五反野駅で発行された、北千住接続営団地下鉄(現・東京メトロ)線50円区間ゆきの連絡片道乗車券です。


   


青色TRCとぶてつ自社地紋のB型金額式大人専用券で、足利印刷で調製されたものと思われます。

この券の東武鉄道および営団地下鉄分合計運賃は80円で、うち50円は営団地下鉄の運賃ですので、東武鉄道の運賃は30円ということになります。現在の運賃では東武鉄道分が150円・東京メトロ分が200円となりますので、当時の運賃が東武37.5%営団62.5%に対し、現在の運賃が東武42.9%東京メトロ57.1%となっており、今から47年間の間に東武鉄道の運賃の方が値上げ率が高かったということになります。


   


裏面です。
北千住から営団地下鉄線50円とあり、営団地下鉄完結券のような記載方法になっています。

この券は同駅から直通の日比谷線用に作成された券と考えられますが、この券が発売された2年前の昭和44年12月に部分開業している千代田線北千住~大手町間 (9.9 km) および昭和46年3月に部分開業した大手町~霞ケ関間 (2.2 km) についての制限は記載されていないので、千代田線についても乗車可能であったものと思われます。

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JR北海道 〇簡 石狩沼田駅発行自由席特急券

平成27年10月にJR留萌本線「〇簡」石狩沼田駅で発行された、深川から滝川までの自由席特急券です。


   


若草色JR北地紋の料金専用補充券(料補)で発行されています。
JR北海道の簡易委託駅では一部の自由席特急券が常備券として設備されておりますが、同駅には設備はされておらず、すべて料補での発券となるようです。


実際に乗車いたしましたが車内改札が来ませんでしたので、発行されたままの状態で手元に残りました。

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