今回は、エレナ・ポーターの代表作『少女パレアナ』の続編、『パレアナの青春』をご紹介します☆
この作品、前から探してはいたのですが、なかなか出会いのチャンスがなくて、最近になってようやく読むことができました♪
今時、家庭小説?
と、思われるかも知れませんが、こうしたお話は、どれだけ時代が流れても、変わらない魅力っていうのがあるんです。ウンウン。
昔、親公認で見ることのできた数少ないアニメ番組に、日曜日の「世界名作劇場」というのがありまして、この「少女パレアナ」(TV版の題名は「ポリアンナ物語」だったかな…)を始め、「赤毛のアン」や「若草物語」、「アルプスの少女ハイジ」に「フランダースの犬」など、子供ながらに涙をさそわれる、お話の数々を放送していたものです。
憶えています?
もう、この番組大好きで、どのくらい好きかというと、アニメーターになる時に、第一志望に、「名作劇場」の製作をしていた日本アニメーションを選んだくらい。(落ちましたけど…)
結局、入った会社に日本アニメーションの下請けの仕事が回ってきて、念願の「名作劇場」の仕事をすることは出来たのですが、それでますますファンになってしまい、今もこうして本を読みあさっている状態です☆
名作というと、時代がかっていて、教訓的で、どこかウソくさいと敬遠している人いませんか?
読書なんてかったるい。TVとネットだけで十分だと思っているあなた。
流行物が大好きで、炭酸ソーダと激カラたっぷりの刺激を求めてやまないあなた。
そんなあなた達に隠れてこっそり、こんなに魅力的な本を読むことが出来て私はとっても幸せです☆(←けっこう意地が悪かったりします♪)
さて、前作「少女パレアナ」では、交通事故で足が不自由になってしまった主人公のパレアナが、チルトン医師の勧めでボストンの療養所に入院し、再び歩ける希望が出てきたところで終わっていました。
もちろんそこでも相変わらず、「喜びの遊び」を実践していたパレアナ♪
「喜びの遊び」とは、どんなことからでも、なにがしかの「喜び」をみつけるというゲーム。そのゲームにかかったら、交通事故で足を悪くしたことでさえ、「歩けることがどんなにありがたいことかをあらためて知ることができたのだから、嬉しい!」と、いうことになってしまいます☆
今回は、その療養所で知り合った看護婦、デラ嬢のたっての願いで、彼女の姉で未亡人のカリウ夫人のところに、冬の間じゅう、パレアナが預けられることになります。
夫と幼い息子に死に別れ、さらに未亡人となってから、わが子のように可愛がっていた甥のジェミーとも生き別れになってしまったカリウ夫人。美しい横顔は暗く沈み、家のカーテンも閉じられたまま、人を寄せ付けない生活を送っている彼女。
妹からパレアナの話を聞いても、「その子が生意気なお説教をしようものなら、すぐに送り返します」とはねつける彼女は、今回かなりの強敵ぶりを発揮します。
このカリウ夫人の変化が見所☆
そんなこととは露知らず、パレアナはいつものように喜びを胸に抱えて、ボストンで心待ちにしていてくれる(と彼女の信じる)カリウ夫人のところにやって来ます。
馬車が行き交い、新聞売りの少年が声を張り上げる大都会ボストン。前半は、このカリウ夫人と、生き別れになったという甥のジェミー。さらに、パレアナが公園で出会う、同じ名前を持ち、「喜びの本」を抱えた貧しい車椅子の少年、ジェミーがキーワード。後半は、成長したパレアナに突然の不運が降りかかり、登場人物総出で入り乱れる恋のさや当てまでが始まって波乱の展開!
いきなり成長してしまうパレアナや、突然の境遇の変化。
予想外の展開で読者を引っ張りまわしておいて、残りページあとわずかで、ちょっと都合良くまとまりすぎている感もありますが、そこはご愛嬌って感じです☆
時に「喜びの遊び」をすることも困難な場面に直面するパレアナ。
そんな彼女が、ただの現実逃避の楽観主義者と違い、強い意志と、努力によって、苦労と悲しみの中からでも、なんとか喜びをみつけ、必死に生きていこうとする姿は読んでいて胸を打ちます。そして、そんなパレアナを熱い思いで見つめ、友として支え続ける男性の存在。
パレアナの母に失恋し、独身を通したペンデルトン氏。
パレアナのおかげで、今やペンデルトン家の養子にまでなった孤児のジミー。
そして、車椅子の不自由な生活の中でも、喜びを数えてノートに書き込んでいるジェミー。
いったい誰がパレアナの心を射止めるのか?
美人じゃないけれど、その心持で男たちを魅了してやまないパレアナ。
みんなに愛情を持って接しているので、誰もがありえそうで、けっこう悩まされます。父親ほど年の離れた男性と結婚するってのも、この手のお話ではパターンといえばパターンですしね。
しかしさすがはエレナ・ポーター。最後の大団円では大盤振る舞い。ちょっとやりすぎなのでは? と、思うほどのハッピーエンドが待っています☆
どんな時でも「喜び」を見つけ、人々の心に希望という光を灯し続けるパレアナ。いつも希望を持つということが、実は絶望と悲しみにひたっていることよりも、辛く、真に勇気のいることであることを、この物語は教えてくれます。
人生を楽しみ、ひとを愛し、苦難に負けずに微笑むパレアナはまさに「喜び」の泉のよう♪
では、どうぞあなたも、喜びの洪水に押し流されちゃって下さい☆
エレナ・ポーター 著
村岡 花子 訳
角川文庫
この作品、前から探してはいたのですが、なかなか出会いのチャンスがなくて、最近になってようやく読むことができました♪
今時、家庭小説?
と、思われるかも知れませんが、こうしたお話は、どれだけ時代が流れても、変わらない魅力っていうのがあるんです。ウンウン。
昔、親公認で見ることのできた数少ないアニメ番組に、日曜日の「世界名作劇場」というのがありまして、この「少女パレアナ」(TV版の題名は「ポリアンナ物語」だったかな…)を始め、「赤毛のアン」や「若草物語」、「アルプスの少女ハイジ」に「フランダースの犬」など、子供ながらに涙をさそわれる、お話の数々を放送していたものです。
憶えています?
もう、この番組大好きで、どのくらい好きかというと、アニメーターになる時に、第一志望に、「名作劇場」の製作をしていた日本アニメーションを選んだくらい。(落ちましたけど…)
結局、入った会社に日本アニメーションの下請けの仕事が回ってきて、念願の「名作劇場」の仕事をすることは出来たのですが、それでますますファンになってしまい、今もこうして本を読みあさっている状態です☆
名作というと、時代がかっていて、教訓的で、どこかウソくさいと敬遠している人いませんか?
読書なんてかったるい。TVとネットだけで十分だと思っているあなた。
流行物が大好きで、炭酸ソーダと激カラたっぷりの刺激を求めてやまないあなた。
そんなあなた達に隠れてこっそり、こんなに魅力的な本を読むことが出来て私はとっても幸せです☆(←けっこう意地が悪かったりします♪)
さて、前作「少女パレアナ」では、交通事故で足が不自由になってしまった主人公のパレアナが、チルトン医師の勧めでボストンの療養所に入院し、再び歩ける希望が出てきたところで終わっていました。
もちろんそこでも相変わらず、「喜びの遊び」を実践していたパレアナ♪
「喜びの遊び」とは、どんなことからでも、なにがしかの「喜び」をみつけるというゲーム。そのゲームにかかったら、交通事故で足を悪くしたことでさえ、「歩けることがどんなにありがたいことかをあらためて知ることができたのだから、嬉しい!」と、いうことになってしまいます☆
今回は、その療養所で知り合った看護婦、デラ嬢のたっての願いで、彼女の姉で未亡人のカリウ夫人のところに、冬の間じゅう、パレアナが預けられることになります。
夫と幼い息子に死に別れ、さらに未亡人となってから、わが子のように可愛がっていた甥のジェミーとも生き別れになってしまったカリウ夫人。美しい横顔は暗く沈み、家のカーテンも閉じられたまま、人を寄せ付けない生活を送っている彼女。
妹からパレアナの話を聞いても、「その子が生意気なお説教をしようものなら、すぐに送り返します」とはねつける彼女は、今回かなりの強敵ぶりを発揮します。
このカリウ夫人の変化が見所☆
そんなこととは露知らず、パレアナはいつものように喜びを胸に抱えて、ボストンで心待ちにしていてくれる(と彼女の信じる)カリウ夫人のところにやって来ます。
馬車が行き交い、新聞売りの少年が声を張り上げる大都会ボストン。前半は、このカリウ夫人と、生き別れになったという甥のジェミー。さらに、パレアナが公園で出会う、同じ名前を持ち、「喜びの本」を抱えた貧しい車椅子の少年、ジェミーがキーワード。後半は、成長したパレアナに突然の不運が降りかかり、登場人物総出で入り乱れる恋のさや当てまでが始まって波乱の展開!
いきなり成長してしまうパレアナや、突然の境遇の変化。
予想外の展開で読者を引っ張りまわしておいて、残りページあとわずかで、ちょっと都合良くまとまりすぎている感もありますが、そこはご愛嬌って感じです☆
時に「喜びの遊び」をすることも困難な場面に直面するパレアナ。
そんな彼女が、ただの現実逃避の楽観主義者と違い、強い意志と、努力によって、苦労と悲しみの中からでも、なんとか喜びをみつけ、必死に生きていこうとする姿は読んでいて胸を打ちます。そして、そんなパレアナを熱い思いで見つめ、友として支え続ける男性の存在。
パレアナの母に失恋し、独身を通したペンデルトン氏。
パレアナのおかげで、今やペンデルトン家の養子にまでなった孤児のジミー。
そして、車椅子の不自由な生活の中でも、喜びを数えてノートに書き込んでいるジェミー。
いったい誰がパレアナの心を射止めるのか?
美人じゃないけれど、その心持で男たちを魅了してやまないパレアナ。
みんなに愛情を持って接しているので、誰もがありえそうで、けっこう悩まされます。父親ほど年の離れた男性と結婚するってのも、この手のお話ではパターンといえばパターンですしね。
しかしさすがはエレナ・ポーター。最後の大団円では大盤振る舞い。ちょっとやりすぎなのでは? と、思うほどのハッピーエンドが待っています☆
どんな時でも「喜び」を見つけ、人々の心に希望という光を灯し続けるパレアナ。いつも希望を持つということが、実は絶望と悲しみにひたっていることよりも、辛く、真に勇気のいることであることを、この物語は教えてくれます。
人生を楽しみ、ひとを愛し、苦難に負けずに微笑むパレアナはまさに「喜び」の泉のよう♪
では、どうぞあなたも、喜びの洪水に押し流されちゃって下さい☆
エレナ・ポーター 著
村岡 花子 訳
角川文庫