私的図書館

本好き人の365日

ジェントルマン

2006-02-10 01:19:00 | 本と日常
病院で、「紳士」に会いました。

いつもの定期検査で、会社を休んで病院に行って来たのですが(たいした病気じゃありません)、待合室で名前が呼ばれるのを待っていた時、先に呼ばれたらしい隣の男性が立ち上がったのです。

見た目は風采の上がらない兼業農家のおじさんといった感じ。
作業着に上着をひっかけただけという格好で、私の前を通って前に出ようとしたのです。

前のソファーとの間は狭くて、私は読んでいた本を脇にどけ、足を引っ込めました。
その時、男性が一言。

「これは失礼」

自分が恥ずかしい*(汗)*
見た目でおじさんを侮り、まさかこんな言葉が出てくるとは思ってもみませんでした。
ビックリして思わず男性の後姿を見つめてしまうほど。

当たり前のように聞こえるかも知れませんが、この言葉、なかなか実際は聞けないんですよ。
現にその時も、前を通った何人ものおばさんに荷物を当てられまくった後だったし。

日本人はなかなかこういう挨拶をしません。
「日本人は人ごみで肩がぶつかっても挨拶をしない」と驚く外国の方も多いとか。
そのくせ、仕事でミスした時などはすぐに「すみません」とあやまる。

以前海外旅行をした時、民族舞踊を見学している私の前を幼い子供が横切りました。その後から追いかけてきた若い母親は私を見てすかさず「エクスキュース・ミー」と声をかけてくれました。
その時はなんと答えていいのかわからず、会釈だけで返しましたが、英語では「ザッツ・OK」くらいでよかったみたいです。
彼女のその一言のおかげで、その時の印象はすごくさわやかなものになりました。

こういうぐあいに気軽に挨拶が出てくる人って憧れます♪

病院で出会ったおじさんは「ジェントルマン」でした。
人は見かけじゃわからないものです。
いい経験したなぁ~

自分も見習いたいと思いました。