放送された、第38回NHK講談大会を見ました。
落語はたまに見ますが、講談を聞くのは久しぶり。
そんなに身を入れて聞いていたわけではありません。
落語みたいに面白可笑しくというわけでもないので、最初はちょっと退屈でした。
ところが、これがいいお話なんです!
感動しました。
演目は一龍斎貞水の「団蔵と多見之助」
芝居小屋で「仮名手本忠臣蔵」を演じる役者のお話。
旅先で世話になっている一座の興行で、判官役(赤穂藩主、浅野内匠頭に相当する役)をすることになった男。
幕も上がり、いよいよ判官が切腹する四段目が始まります。
しかし、由良之助(大石内蔵助に相当する役)を演じる団蔵は、判官が切腹する場面で、本来なら花道を渡って近づいてこなければいけないのに、いっこうに近づかず、花道の途中で平伏したまま。
判官は、仕方なく芝居を続けますが、本来なら、待ちに待った由良之助登場のシーン。
主従の別れを描く涙を誘う場面です。
それが由良之助が遠くにいるので、大声で怒鳴りあうみたいになってしまいます。
幕が下りた後、なぜ芝居を変えたのか、その理由を聞きに行きますが、芝居がヘタだと一蹴され、「お前の肩が来るなと言っているから行きたくても行けない」と言われてしまいます。
自分の芝居の何がいけないのか悩む男。
その次の日もやっぱり芝居はそこで止まってしまいました。
またしても理由は教えてもらえず、しかも団蔵に冷たく突き放された男は、いっそ団蔵を道連れに、本当に舞台の上で切腹してやろうかと思い詰めますが、何とか思いとどまり、同業の先輩に、恥を忍んで打ち明けに行くことにします。
しかし、男の芝居を見たこの人も「それじゃあ俺も近づけねえ」とひとこと。
ここで理由を教えてもいいが、それじゃあお前のためにならない。一晩考えてそれでもわからなければ、明日またおいでなさい。といわれて男は送り出されてしまいます。
最初見ていて、意地悪しないで早く教えてあげればいいのに、と私なんかは短絡的に考えてしまったのですが、そこがこのお話のキモ。
自分で苦労しないと自分のためにならない。
ここにきて、ようやくお話の面白さに気が付いて、それからはテレビに釘付け。
昔かたぎというか、職人かたぎなお話にグッときてしまいました☆
自分の演じる判官の気持になって考えてみる男。
待ちに待った由良之助が来てくれた、ああ嬉しい。ああ嬉しい。
だが嬉しいだけだろうか、その次は?
自分はこうして切腹しなければならなくなった。
後に残る家臣や国もとの領民たち…
………。
由良之助。
役者魂です!!
これでダメなら本当に腹を切る覚悟で舞台に上がる男。
その芝居に答える団蔵がこれまたいい!!
久しぶりに熱中してテレビを見てしまいました。
古典もなかなか侮れません。
落語はたまに見ますが、講談を聞くのは久しぶり。
そんなに身を入れて聞いていたわけではありません。
落語みたいに面白可笑しくというわけでもないので、最初はちょっと退屈でした。
ところが、これがいいお話なんです!
感動しました。
演目は一龍斎貞水の「団蔵と多見之助」
芝居小屋で「仮名手本忠臣蔵」を演じる役者のお話。
旅先で世話になっている一座の興行で、判官役(赤穂藩主、浅野内匠頭に相当する役)をすることになった男。
幕も上がり、いよいよ判官が切腹する四段目が始まります。
しかし、由良之助(大石内蔵助に相当する役)を演じる団蔵は、判官が切腹する場面で、本来なら花道を渡って近づいてこなければいけないのに、いっこうに近づかず、花道の途中で平伏したまま。
判官は、仕方なく芝居を続けますが、本来なら、待ちに待った由良之助登場のシーン。
主従の別れを描く涙を誘う場面です。
それが由良之助が遠くにいるので、大声で怒鳴りあうみたいになってしまいます。
幕が下りた後、なぜ芝居を変えたのか、その理由を聞きに行きますが、芝居がヘタだと一蹴され、「お前の肩が来るなと言っているから行きたくても行けない」と言われてしまいます。
自分の芝居の何がいけないのか悩む男。
その次の日もやっぱり芝居はそこで止まってしまいました。
またしても理由は教えてもらえず、しかも団蔵に冷たく突き放された男は、いっそ団蔵を道連れに、本当に舞台の上で切腹してやろうかと思い詰めますが、何とか思いとどまり、同業の先輩に、恥を忍んで打ち明けに行くことにします。
しかし、男の芝居を見たこの人も「それじゃあ俺も近づけねえ」とひとこと。
ここで理由を教えてもいいが、それじゃあお前のためにならない。一晩考えてそれでもわからなければ、明日またおいでなさい。といわれて男は送り出されてしまいます。
最初見ていて、意地悪しないで早く教えてあげればいいのに、と私なんかは短絡的に考えてしまったのですが、そこがこのお話のキモ。
自分で苦労しないと自分のためにならない。
ここにきて、ようやくお話の面白さに気が付いて、それからはテレビに釘付け。
昔かたぎというか、職人かたぎなお話にグッときてしまいました☆
自分の演じる判官の気持になって考えてみる男。
待ちに待った由良之助が来てくれた、ああ嬉しい。ああ嬉しい。
だが嬉しいだけだろうか、その次は?
自分はこうして切腹しなければならなくなった。
後に残る家臣や国もとの領民たち…
………。
由良之助。
役者魂です!!
これでダメなら本当に腹を切る覚悟で舞台に上がる男。
その芝居に答える団蔵がこれまたいい!!
久しぶりに熱中してテレビを見てしまいました。
古典もなかなか侮れません。