私的図書館

本好き人の365日

『荻原規子読本』

2011-03-27 12:14:00 | 本と日常
なんかズルイ…

徳間文庫編集部の作った、

*(キラキラ)*『荻原規子読本〈勾玉〉の世界』*(キラキラ)*(徳間書店)

という本を買ってしまいました。

作家荻野規子さんの代表作『空色勾玉』をメインに、対談やエッセイ、短編小説などで綴った丸ごと一冊荻原規子特集。

その中に、なんと『空色勾玉』のスピンオフ小説と銘打った小編小説が載っていたのです。

…これはファンとしては買うしかないじゃん。

『空色勾玉』の主人公、狭也(さや)の侍女、奈津女(なつめ)に焦点があてられていますが、狭也や稚羽矢など主要人物も登場します。

本編「勾玉シリーズ」が文庫化されているのでその宣伝なんでしょうけれど、この本、薄いわりに値段が高い…
書下ろし小説(これがまたすごく短い!)がなかったらきっと立ち読みで済ましていました。

そこまでして売りたいか徳間書店!!

ま、荻原規子さんと『獣の奏者』などで有名な上橋菜穂子さんの対談も載っていたので買って悔いはないんですけどね。

なんか納得できない。
最近こういうの多いよ。

荻野さんと上橋さんの対談は楽しくて、『ナルニア国物語』や『プリデイン物語』、『ツバメ号とアマゾン号』や『だれも知らない小さな国』『床下の小人たち』『妖女サイベルの呼び声』といった本の名前が次々と出てくるたびに「そうそう!」とうなずいてしまったり、トールキンやミヒャエル・エンデ、サトクリフについて語っているところでは「なるほど~」と思ってしまいました。

上橋さんが対談の中で『指輪物語』の登場人物トム・ボンバディルについて語ってみえて、すごく嬉しかった!

彼は私がサムの次に好きな『指輪物語』の登場人物なんですよね♪
映画には出てこなかったのが残念。
彼の奥さんはかなりの力を持っているはずなのに~

なんだかんだいってけっこう楽しんでしまいました。

作家さんの語る本の話って面白いなぁ。
本業の小説の方はどうなっているのかな?
次回作が早く読みたいです。



 熱田津(にきたつ)に
  船乗せむと
   月待てば

 潮もかなひぬ
  今は漕ぎ出でな

         ―額田王「万葉集」―