信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

親を越えられない

2010年05月18日 23時14分24秒 | Weblog
GWに実家の兄と神奈川の姉と3人で集まった。
当然3回忌を終えた母親の思い出話に終始した。

実に驚いたのが、これほど一緒に過ごしてきたきょうだいがそれぞれが異なった思いを
親に対して持っていたのだった。

母親と語った言葉が照らし合わせてみると、それぞれ長男、長女、そして末っ子の私、
と親から伝えていた言葉がきょうだいの順序で使い分けされていた。

特に相続に関しては、嫁いで行った者と跡継ぎとは当然かけ離れてはいたが。

そんなことを踏まえて、母を時には3人でこき下ろしたり、子供達は偉そうに、
あの世に行ってしまった親を本当は罰が当るだろうに、褒めたりけなしたり。

その後父と母の大昔の、写真を兄が送ってきた。
戦前台湾で造船所を経営していた伯母夫婦と一緒に暮していた父母は裕福だった。
その時の写真だが、若いときはあまり興味もなく、じっくりと眺めることもなかった
父母の写真が何だか今になって実に身近に感じてたまらない。
もう2人ともいないというのに・・・・。

そして20代の頃の母はとっても綺麗だった。
姉が3歳の頃、祖父と一緒に撮っているが、母は今で言えばアンジェラ、アキのような
上品な容貌で自分の親とは思えないほどだ。
70年も前の写真だが、着ている母の洋服は今でも通じるデザインである。
きちんと腕時計もしている。
父親もりりしい。

とんびが鷹を生むどころではなく、とんびは雀を生んでいた。
その雀はもうとっくに還暦を過ぎて、老雀。
よろよろだ。

娘はアンジェラ、アキのような美貌の母親のようには一生かかってもなれなかった。

だから、傲慢な子供達が親をこき下ろしてごめんなさいと心の中でこっそりと謝ったのである。