Il film del sogno

現実逃避の夢日記

別離

2012-04-19 00:56:00 | 映画
4/18(水)晴れ時々曇り
気温も上がって暖かな一日。午前中はデスクワーク、午後から浜松町の巨大ビルで上へ下への営業行脚。提案したり探りを入れたりお勉強になります。帯同者と夕刻から一献。お一人様千円均一で微薫を帯びる。山手線に乗って渋谷で途中下車。文化村のル・シネマでイラン映画を鑑賞。かの国の作品はアッバース・キヤロスタミーの素朴な初期の三部作とマジード・マジーディーの「運動靴と赤い金魚」が印象に残っているが、この辺りを友人に勧めても『あんな退屈な映画のどこが良いの?』などと云われて、大スターやスペクタクルがないと納得しない人達には本作も面白くないか。小屋は都心部の有閑マダムらの文化拠点で昼興行はそこそこの混雑らしいが最終回は30名程度と閑散。結論から記すと紛れもない傑作である。現代イラン(世界のどこでも抱える普遍的な)の諸問題を織り込んだ達意のシナリオ、達者な役者、恬淡としつつも緊密な演出で2時間全くダレ場がない。開巻の掴みとラストの余韻も秀逸。些細な嘘と愛憎の交錯する人間関係はあたかも上質なミステリーの如し。オスカー初め各国際映画賞獲得は伊達ではない。大満足して渋谷の雑踏を抜けて家路に就く。
コメント
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