Il film del sogno

現実逃避の夢日記

すばらしき世界

2021-02-11 18:55:13 | 映画
2/11(木)晴れ
   建国記念日。旗日。7:30起床。我が仔と公園を散歩。チャリで近所のシネコンへ。西川美和の新作を鑑賞。公開初日。9:15の初回にはやや中高年多く8割方の入りと出足はまずまず。若い衆はキャストの魅力で堤作品へ流れるか。贔屓監督の長編6作目に接する以前に、佐木隆三の原作≪身分帳≫は読了済。併せて撮影中の裏話を集めた≪スクリーンは待っている≫も併読。ゆえに予習万全。いまや邦家を代表する女流監督は、文才にも恵まれ、天は二物を与えるのだな。その諸作(映像でも活字でも)はいづれも甲乙つけ難いハイレベルなクオリティである。初の原作モノと云っても脚色は巧みで、エピソードの捨拾選択と30年前の時代背景を現代にしっかり置き換えている。仲野太賀の役どころは原作にはないが、泣かせどころのひとつ。虚飾と欺瞞、偏見と差別に満ち満ちた浮世ではあるが、それでも誰もが生きて行く価値はある。上映後の余韻の深きこと海溝の如し。それにしても副読本により得たトリビアであるが、映画一本撮るのに、実に多くの障害や切り捨てられた素材があることに驚嘆。一番残念だったことは、本作が八千草薫の遺作とならなかったこと。原作にはない母子の対面がどうであったか・・。いずれにしても年度ベストの一本であることは間違いない。帰宅して愛犬と2度めの散歩。花屋で祝いものの花束を調達。我が子の通うトリマーの新装開店に届ける。
コメント
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