監督が「真珠の首飾りの少女」「ハンニバル・ライジング」のピーター・ウェーバーだし、主人公は「LOST」のジャックだし(ただ、顔が90%の大きさになったベン・アフレックに見える・・・)。
だからハリウッド映画のはずだ。
3月にアメリカで公開してるらしいが、ベスト10には入ってないけど・・・。
なぜかと言うと、とっても日本の立場の映画なんだもん。
だって、全編舞台が日本で、皇居でもロケしてるし、中村雅俊が主人公に面と向かって「子供達を一瞬で壁の影にしたのに。」とか「アメリカをはじめヨーロッパ諸国の戦勝国も、さんざんアジアを侵略してるじゃないか。マネをした日本だけを裁くのか!」みたいな事を、英語で言ったり。
中村雅俊の次回作は「謎解きはディナーのあとで」だよん。しかも彼の出番は、この会話の時だけだよ。
他にも「東京大空襲で10万人の民間人を殺した」事も言ってるし、主人公の彼女の家族は、おじさん以外、戦争で死んじゃうし。
西田敏行、夏八木勲、火野正平、伊武雅刀がキャストだよん。どう考えても日本映画じゃん。
でも、火野正平が東条英機というのは、やっぱり日本人じゃ思いつかないキャスティングかなあ。
あとねえ、西田と夏八木も英語のセリフなんだけど、ちゃんと演技も立派なんだよねえ。
トミー・リー・ジョーンズの出世欲丸出しで計算高いマッカーサーも、BOSSのCMのイメージが強すぎて。
日本人は、観る映画だけど、アメリカでは誰が観るんだろう?という内容で・・・。
で、主人公の心を掴んで、10日間の期間しかない大仕事の間も、探し続けた彼女の初音映莉子。あの~、左の親知らず、抜いた後で頬が腫れてませんでしたかあ? 私、腫れてたと思うんですが・・・。やっぱり、白人さんと並ぶと、「顔平たい族」だったし。
で、この彼女の話はもっと端折って、10日間の調査で天皇の戦争責任の有無の結論を出さねばならなかったという話に集中して欲しかったなあ。
伊武さんが話し出す、「宮城事件」の話からようやく話が締まって、眠気がさめたもん。こんな事があったって、知らなかったし。
映画だから、忠実に史実を描くのは無理だけどね。
天皇陛下は、昭和天皇は、本当に大変で、本当に優しい人だったんだろうなあ。もし、イギリスが負けてたら、「英国王のスピーチ」のジョージ6世も戦争責任があったかどうか戦勝国に調査されたんだろうか・・・。
いずれにしても、日本中の都市が、あの焼け野原からわずか10数年で立ち直ったのは、あの時代の人々のお陰です。すごいなあ、価値観がまるっきりひっくり返ったのに、乗り越えて、ここまで来たんだぜ。努力だけで。今の80歳以上の人は本当に立派だと思う。