サンタクロース版の「ホーム・アローン」という評判だったが、さすがR15+。
うっかりクリスマスシーズンに公開して、善良な老若男女や子供たちが観に行ったら大変だ。セキュリティー&ボディガードも配備した超ゴージャス一家の屋敷に3億ドルの現金を奪うために傭兵6人が侵入し、まず家族以外全員を殺す。「クリスマスイブなのに出勤だ」とつぶやく善良な黒人の門番もあっさり殺される。
それからは、その現場に出くわした、そろそろ現代の子供に嫌気がさして引退を考えている本当のサンタクロースが人質家族の女の子を救うために、傭兵とその仲間達との殺し合いが始まるのだ。
結構、皆さん、ホラー映画並みの死に方です。いい味出してた敵のボス、ジョン・レグイザモ演じるスクルージ―の死に方も、なるほどねえって感じで良かったです。
血の量は多いけど、スプラッターという程ではない。
個人的には、映画「ホーム・アローン」の主役になり切った女の子が、結果殺ってしまうのが面白かった。
映画の出だしはかなり良い。サンタクロースのシステムの説明もあるし、主人公のサンタの現状も描かれるし、そしてやっぱりアメリカ人、ゲロ好きだなあ。
時々、本当のサンタならではの感動的なシーンを盛り込む。ホロッとさせてグロシーンを中和・・・。あまり中和してないか。
サンタクロースの扮装をした人間が殺しまくるのではなく、本物のサンタクロースが、クリスマス・マジックとバイキングだった頃の記憶で、20名以上殺してしまう点は新しいかも。超ゴージャス一家もちゃんとサンタを銃でサポート。
でも、最近の日本も怖いからなあ。昨日も6人もの強盗が夜中に侵入しようとしたニュースがあったし。アメリカの自衛のための銃の所持という観念は無くならないんだろうなあ。
以下、ネタバレ。
最終的に、サンタクロースは、サンタクロースとしてのアイデンティを取り戻し、元気よく残りのプレゼントを配りに行く。が、女の子の両親、今後、大丈夫かあ? 仲良くなったのは吊り橋効果だし。
女の子のお父さんのジェイソン、超ゴージャス一家の中では良い奴かと思っていたら、全然良い奴じゃないじゃん。ジェイソンのお母さんには、逆に良くやったと褒められて、認められてたけど。
で、最大の謎。クリスマス・マジックが使えないジェイソンは、あの大量の札束を、どうやってあそこまで移動させたんだ? 3億ドルは100ドル札が300万枚だぞ。あんだけボディガードや使用人がウロウロしているのに、地下金庫から庭まで、誰にも気が付かれずにどうやって運んだんだ? そこが、うまく描かれてたら、ジェイソンの、筋金入りの悪ぶりがあぶり出されて、深みが増したのに。
結局、やっぱりジェイソンとリンダはうまくいかないんだろうなあ。可哀想な女の子・・・。