『ジェンダーギャップなど超越、活躍した女流日本画家・上村松園』
―女性の目を通して美人画を描き、1948年女性初の文化勲章を受章―
日経新聞(20210514)の社会欄にありました。 『上村松園作品 100年ぶりに発見』、行方不明の『清少納言』。 長いこと、大変失礼をいたしておりました。この方を、男性の日本画家だと思っておりました。
先ずは、プロフィール・ウエブ情報です。
上村 松園(うえむら しょうえん)1875年4月23日 - 1949年8月27日は、日本画家。 本名は上村 津禰(うえむら つね、「禰」は「示」偏に「爾」)、常子(つねこ)と名乗っていたこともある。 明治の京都下京に生まれ育ち、女性の目を通して「美人画」を描いた。 1948年(昭和23年)女性として初めて文化勲章を受章。 子の上村松篁、孫の上村淳之と3代続く日本画家である。
発見されたのは、1917年~18年ごろに描かれたとみられる『清少納言』という作品。 平安時代の作家・歌人である清少納言が中宮定子の問いかけに応えている様子を描く、枕草子のエピソードにちなんだ作品だ。 この作品を所有している名古屋市内の画廊経営者は、『松園は40年以上にわたり何度か絵の材料に清少納言を選んできた。 男性中心の画壇に生きた女性画家として、清少納言に自身を重ねてみていたのではないか』と語った。
- 「清少納言」 1892年
ウエブ情報から引用
他の代表作品
- 「母子」(重要文化財)1934年
ウエブ情報から引用
- 「序の舞」(重要文化財2000年 「なにものにも犯されない、女性のうちにひそむ強い意志」を、静かなうちに凛として気品のある仕舞「序の舞」を通して描いている。絵のモデルは上村松篁の妻(上村淳之の母)の未婚時代の姿である。 松園をモデルにした宮尾登美子の小説の題名にもなった。
ウエブ情報から引用
この方は、明治・大正・昭和を通じて美人画を描き続けた女流日本画家です。 彼女は、「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」、「真・善・美の極致に達した本格的な美人画」を常に念頭に置いて作品を作っていたそうです。 ジェンダーギャップ・男女格差などのノイズの中で女流日本画家の素晴らしい作品を堪能できました。
(記事投稿日:2021/05/15、#334)