『インパクト時の呼吸 2(野球界、ベーブvs イチロー vs 大谷)』
『武道には、「心・技・体」、野球には「走・攻・守」この「走」が大谷の強み』
『この記事を最初に作ったのは20190609付、その後もやはり凄い・大谷二刀流』
とにかく、野球の国(1903年に発足したナショナルリーグとアメリカンリーグの2つのリーグの共同事業機構で、両リーグの統一的運営『メジャーリーグ』)『大リーグ』とも呼ばれる)で、ピッチャーの大谷投手兼打者の二刀流がホームラン王争いをする相手チームのホームラン打者に対戦するという風景だけで、「大リーグ」ファンだけでなく、だれもが『わけの分からない混乱』の衝撃を受けたと思います。
チームのエースが、ホームラン王争いをする。 それも『メジャーリーグ』においてです。 今回のMVP満票獲得は『メジャーリーグ』110年と長い歴史の中で6人目です。
陸上競技を経験した人にはよくわかります。 高身長・重量級のアスリートは、中距離向きで、短距離、長距離は不向きと言われました。 大谷選手の凄さは、 『投げる・打つ」の優れた選手は、結構います。 ピッチャーでホーメランを沢山打てる選手です。 DH制度がなかった時代の記録ですので、比較はできませんが、例えば、日本では、
順位 | 本塁打数 | 選手 | 球団 | 年 |
1 | 7 | 藤本英雄 | 巨人 | 1950 |
2 | 6 | 金田正一 別所毅彦 服部受弘 | 国鉄 巨人 中日 | 1962 1951 1949 |
3 | 5 | 松岡弘 平松政次 成田文男 米田哲也 米田哲也 金田正一 別所毅彦 江田貢一 | ヤクルト 大洋 ロッテ 阪急、 阪急 国鉄 巨人 松竹 | 1977 1971 1969 1968 1960 1955 1952 1950 |
ベーブ・ルースが本格的に投打の両方でプレーしたのは、レッドソックスに所属していた1918年と19年。 既に投打の分業が進んでいた時代に、投手から打者に転向する過渡期で二刀流に挑んだ。
第1次世界大戦の影響でシーズンが短縮された18年。 ルースはチームが消化した126試合のうち、95試合に出場。当時は全体の本塁打数が少なく、11本で初の打撃タイトルを獲得した。 投手としては20試合の登板で13勝(7敗)。大リーグでは、この年のルースを最後に2桁勝利と2桁本塁打を同一シーズンに記録した選手は出ていない。
メジャーでは、
まず前提条件として ”その選手が投手として出場して” というくくりが必要と思います。 60~70年代ほど前までは投手も代打として打席に立つことが珍しくなかったからです。 また1973年からア・リーグではDH制度が導入されたので、この年からア・リーグの投手がシーズンで何度も打席に立つことはほぼ皆無になりました。 この条件で MLB投手によるシーズン最多本塁打記録を持つのは1931年 クリーブランド・インディアンスのウエス・ファーレル)投手の「9本」です。 (すべて9番打者=投手として記録しています)。 2位は8人の投手が「7本」でタイ記録になっています。 一番最近だと、2001年 コロラド・ロッキーズのマイク・ハンプトン投手が記録しています。 なおウエス・ファーレルは「投手として打った本塁打の通算記録」も保持しています(37本+代打で1本 。1927~1941年)。
陸上の世界のスーパースター、ボルト選手(体重94㎏・身長196㎝)と大谷選手(体重97㎏・身長193㎝)の二刀流・三刀流です。 この体格の比較も『もしボルト選手が野球をやっていたらのどと夢がひろがりました。 『メジャーを高校野球に・・・』などと、野暮も愚痴もやめましょう。 なぜなら大谷選手は、100年に一人、100万人に一人の逸材と、すでに言われています。
ここからは,『インパクト時の呼吸 1(野球の世界、ベーブvs イチロー vs 大谷)』の再掲載です。
ベーブルース(初代二刀流、ピッチャー&ホームランバッター)
ウエブ情報から引用
イチロー(世界のイチローはオリックス時代でも;7年連続首位打者)
、
ウキペデイアから引用
大谷(元祖二刀流のベーブルースの記録に一番近いスラッガー)
ウキペデイアから引用
何かやりそうだ思っていた、矢先ですが、米大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が6月13日、タンパベイ・レイズ戦で、一試合で本塁打、三塁打、二塁打、単打を放つサイクルヒットを達成し、MLBの歴史に名を刻みました。 メジャーリーグの日本人選手としては初めての記録でした。
元祖『二刀流』のベーブルース(ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア)選手も、走力不足で達成できなったサイクルヒット記録を大谷選手は達成しました。
3人の体躯の比較です。
身長 体重 走力(~一塁)
ベーブ 188cm 99kg 推定4.6秒(17秒/100m)
イチロー 180cm 80kg 3.8秒
大谷 193cm 97kg 3.8秒
この大谷選手ですが、打つ瞬間に、イチロー選手と同じように口元を膨らませています。 ベーブルース選手とイチロー選手の打撃フォームですが、似ている点があると言われています。
『二人とも、スタンスが狭く、それから体を前に投げ出す点が似ているという表現でした。 これは1本足打法の王選手にも言えます。王選手とベーブルースの打撃フォームは非常に良く似ています。 前足を上げるか上げないかが違うぐらいです』
また、インパクト時の呼吸方法についてのウエブ情報です。
最近のプロ野球選手は口にマウスピースなどを咥えて顎を固定させる事で力を出しています。 これはウェイトリフティングなどで力を均一に且つバランス良く出すための工夫です。 これはこれで力を出すことに役立つことに間違いはないでしょう。
ところがイチロー選手は打撃の瞬間、息を”吐いている”のだそうです。 普通は考えられない。 力を出す呼吸法には大別して二種類あるかと思います。
一つは呼吸を止める=腹圧をかけてお腹の内圧を一定にして高める事で力を出す方法。 こちらは空気がはいることで下腹部が安定し力が出せます。
もう一つは、イチロー選手がやっている呼吸を出し続ける方法。 これは武道関係ではやっている人が結構いますが、”瞬間的な”力とスピードが出し易いようです。 ですから、一瞬で相手を倒す必要の中で発達してきた方法なのかもしれません。
武道の場合では、吐くと同時にお腹を膨らませる丹田呼吸で下腹部を瞬間的に安定させますが、イチロー選手もそうなのかはわかりません。
さらに、イチロー選手のインパクト時の呼吸方法を完成させるエピソード・貴重なウエブ情報がありました。
2,016年7月19日と20日、米・フィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パーク球場の観客席にサングラス姿で大きく手を振り、応援する日本人女性がいた。 歌手の石川さゆり(58)だ。メジャー通算3千本安打の偉業達成間近のイチロー(42)の応援に日本から駆けつけ、2日連続で生の声援を送ったのだ。
「彼女は毎年イチローの応援に渡米しています。今年は埼玉県大宮でのリサイタルが終わるのを待って、レコーディングもかねて渡米したようです」(芸能関係者)
石川は試合後にイチローと一緒に食事をした様子を、ホームページの日記にこう綴っている。
《お食事も一緒しましたが、やはり日本でシーズンオフにお会いするよりシュッと一段と引き締まって、大リーグで闘っているんだなーと感じます。いつもの大きな声と笑顔がステキでしたよ》
演歌歌手と大リーグ選手の意外な交友関係。 アプローチしたのはイチローのほうだった。08年12月にNHKBSで放送された『私のうたの道~石川さゆり~』のなかでイチローはこう語っている。
「石川さんに興味を持ったのが、07年の紅白ですよね。ン!って思って。この力の抜け方と入れ方は何なんだと思ったんですよ。こりゃすごいぞと」
すぐに彼はチケットを買い、石川の呼吸法と体の使い方を直に見るために、コンサートに行った。
「『天城越え』の(歌詞にあわせてひらひらする)手の動きがたまんないですよ。で、08年のぼくのシーズンはいろんなものを越えていかなくてはいけない。 で、自分のなかでそういうものも生まれていかなければいけない。 そういう思いも込めて、これは『天城越え』だと石川さんにお願いしたんです」
順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、イチローが石川に教えてもらった力の入れ方と抜き方を、こう絶賛する。
「バッターボックスに入るまでの動き、屈伸や深呼吸を取り入れながら、メリハリのある動きをしています。演歌歌手の呼吸法もまさにメリハリのあるもの。 こぶしを回すときに思いきり吐いて、そのあと感情を込めてふっと脱力する。 緊張と脱力が自律神経を整えることにつながるんです。日常に取り入れるとしたら、爪先立ちをしてふっと力を抜いてストンとかかとを落とす。そんな動きが効果的です」
イチローは石川の呼吸法から取り入れた体の強弱リズムを実践したおかげで、08年には日米通算3千本安打、107年ぶりの記録更新となる8年連続200本安打の大記録を達成。 実際にイチローが試合でメリハリのある動きを取り入れている姿を目撃したスポーツ紙記者は、こう語る。
「守備位置につく彼のすぐ後ろで試合を見たことがあるのですが、いつ球がどっちに飛んできてもすぐにダッシュができるように、爪先立ちなんです。そしてプレーの合間にはふっと力を抜く。 そのメリハリが絶妙でした」
小林先生は、代打中心のいまこそ、体の強弱リズムが効果的だと語る。
「そのリズムは緊張をほぐしますから、ルーティンにすることで心の迷いが消えるんです。血流もアップし、末梢まで神経の伝達がよくなり筋肉の反応も良くなります。1人でいるときと6万人の観客がいるときで心の変化がなく、突然試合に出てきても平常心でプレーできる」
交流8年。石川の呼吸法がイチローを支え、今年は08年以上の“偉業”を手にする。
大谷選手は、オープン戦の途中で、スランプになったときに、イチロー選手を訪ねています。 『凄い選手は凄い選手を知る』、米大リーグでも二刀流志望選手が出てきています。
米大リーグでも二刀流で活躍し、その記録を残した選手は、極少なく、これから大谷選手がどこまで進化するか楽しみです。
ベーブ・ルース(Babe Ruth)選手
野球の神様と言われており、アメリカの国民的ヒーロー。
本塁打50本以上のシーズン記録を初めて達成した選手。
レッドソックス、ヤンキース、ブレーブスで活躍。
1918年は20試合に投げ、13勝7敗・防御率2.22。メジャー唯一、同一年度での10勝かつ10本塁打を記録。
マイケル・ブルックス・キーシュニック(Michael Brooks Kieschnick)選手
2002年、シカゴ・ホワイトソックス傘下のAAA級シャーロット・ナイツで投手挑戦。同年は外野手と投手の二刀流選手としてプレーし、打撃では打率.275、13本塁打、40打点をマーク。投手としては25試合に登板し、防御率2.59の成績を残した。
米大リーグのテレビ観戦が楽しくなりました。 ベーブルース・イチローはバッティングフォームで似ており,イチロー・大谷はインパクト時の呼吸方法でつながり、この呼吸方法が石川さゆりの大ヒット曲『天城越え』につながる不思議を考えます。『一流は、一流を知る』ボンズコーチとイチロー選手の関係です。
(記事投稿日:2021/11/20、最終更新日:2024/07/01、#424)