『遺伝子技術でマンモス復活と絶滅危惧種の維持ができるか、この機会に!』
―将来の6度目・唯一人災による大量絶滅の回避は可能かー
マンモス
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。 約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。 シベリアと北アメリカ大陸生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモスが有名である。
過去にあった大量絶滅とは、ある時期に多種類の生物が同時に絶滅すること。大絶滅(だいぜつめつ)ともよばれる。 顕生代において起こった、特に規模の大きな5回の絶滅イベントをまとめて、ビッグファイブと呼ぶことがある。
(Ⅰ)オルドビス紀末の大量絶滅(約4億4340万年前)
古生代 オルドビス紀末(約4億4340万年前)に起こった大量絶滅です。
絶滅した生物は、属単位では約50%、科単位では約12%の生物が絶滅した、とされています。 オルドビス紀末の大量絶滅の原因ははっきりしていません。 暖かい海にすむ生物(サンゴ、三葉虫、腕足動物、海綿)などが激減していることから、大陸移動による寒冷化が原因という説が有力です。
(Ⅱ)デボン紀末の大量絶滅(約3億5890万年前)
古生代 デボン紀末(約3億5890万年前)に起こった大量絶滅です。
デボン紀末の大量絶滅の原因はわかっていません。
絶滅した生物は、属単位では約40%、科単位では約14%の生物が絶滅した、とされています。
(Ⅲ)ペルム紀末の大量絶滅(約2億5100万年前)
古生代 ペルム紀末(約2億5100万年前)に起こった大量絶滅は、史上最大規模の絶滅として有名です。 ペルム紀末の大量絶滅では、海と陸の両方でたくさんの生物が絶滅しています。
絶滅した生物は、属単位では約65%、科単位では約52%の生物が絶滅したとされています。 ペルム紀末の大量絶滅では、約700万年の間をあけて少なくとも2回の大量絶滅が起こった、とされていて、数万年という長い期間にわたる火山活動で激減した生物に、噴火による温暖化が追い討ちをかけたことが、海と陸での大量の生物が絶滅した原因ではないか、とされています。
(Ⅳ)三畳紀末の大量絶滅(約2億0100万年前)
中生代最初の大量絶滅が三畳紀末の大量絶滅(約2億0100万年前)です。
三畳紀末の大量絶滅の原因は、超大陸パンゲアの分裂に起因する大噴火ではないか、と言われています。
シベリアには三畳紀末にできたとされる巨大な地溝があり、大噴火によるものであることが証拠とされています。
三畳紀末の大量絶滅で絶滅した生物は、属単位では約45%、科単位では約12%の生物が絶滅した、とされています。
(Ⅴ)白亜紀末の大量絶滅(約6600万年前)
ビッグファイブの中で最も有名なのが、恐竜類が絶滅した白亜紀末の大量絶滅(約6600万年前)です。
白亜紀末の大量絶滅では、属単位では約45%、科単位では約11%の生物が絶滅した、とされています。 白亜紀末の大量絶滅は、絶滅した生物の割合は少ないのですが絶滅のスピードが桁外れに速いのが特徴です。
どのくらいの期間で恐竜類などが絶滅に至ったのかは、まったくわかっていませんが、地層の前後で生物層がまったく違うほどの入れ替わりがあったことが分かっています。白亜紀末の大量絶滅の原因は、隕石衝突による地球規模の環境変化である、とされています。
メキシコのユカタン半島にあるチチュルブクレーターが白亜紀末期にできたものであること、白亜紀と第三紀の境目の地層に、地表にはほとんど存在しないイリジウムという金属が大量に含まれていて、このイリジウムが隕石によってもたらされたものである、というのが隕石衝突説の根拠です。
イリジウムは地表にはまれにしか存在しませんが、地球の内部には普通に存在するので、大噴火によってイリジウムの層ができた、とする説も根強くあります。 白亜紀末の大量絶滅とはぜんぜん関係ないけど、福井県立恐竜博物館に展示されていた本物の隕石。
1800年代にアフリカに落ちた隕石で、大きさは60cmくらいです。白亜紀末に衝突した隕石(小惑星)は直径10km~15kmと推定されていますから、直撃や周囲に生息していただけで全滅した生物も多かったでしょう。
白亜紀末の大量絶滅で生き残った哺乳類の一つが、有袋類のオポッサムの仲間です。 当時北アメリカにすんでいた有袋類はオポッサムの仲間以外はすべて絶滅していて、隕石の被害をもっとも受けたであろう地域にすんでいながら、オポッサムの仲間だけがなぜ生き残ることができたのか、わかっていません。
余談が長くなりました。 このビックファイブの原因はさておき、人類が自然破壊(温暖化・海洋汚染)していることと、ビックファイブと無縁ではなさそうです。 表題『将来の、6度目・唯一人災による大量絶滅の回避は可能か』に戻ります。
(20200302)付け日経新聞記事に抜粋です。
三葉虫、恐竜、マンモス・・・。 地球上にこれまで登場した生物の9割以上はすでに絶滅している。 幾度となく大量絶滅を繰り返し、ぜんざいもそのスピードを加速しているという。 だが、研究者は新たに手にしたiPS細胞やクローン技術などを駆使し、絶滅した動植物の復活や危惧種の絶滅阻止に向けた研究を加速している。
この5回に続き、現在は人間の活動が生物の生育環境を急速に変えて、6回目の大量絶滅が起きているとみる専門家が多い。 森林を切り開いて農地にしたり、農薬で生態系を乱したりするのが原因だ。 100万種の動植物が絶滅の危機にあり、絶滅のスピードは過去一千万年の平均に比べて最大で数百倍に達する。
近畿大学は一万年前に絶滅したマンモスの復活を目指す。 京都大学霊長類研究所は、チンパンジーやニホンザルの皮膚などからiPS細胞を作成。 遺伝的に人に近い霊長類は、病気や創薬の研究に使われる。 仮に絶滅しても研究を続けるのが目的だが『絶滅危惧種の保存にも役立つ』
国立環境研究所も様々な絶滅危惧種の 組織のほか、精子や卵子、細胞から抽出した核酸を凍結保存している。
絶滅種の復活や絶滅した動物を生かすために糸口が見えていない課題もある。 生物にとって欠かせない生態系作りだ。 一個体だけ復活・維持させても、生態系なしでは生きられない。
『奇跡の星』地球は、貴重で・複雑な生態系で成り立っています。 ところが人間の実態は、『俺・私、関係ねー』というすべて、の日常では、先が思いやられます。
(20200729纏め、#498)